東京メトロは2018年12月12日、プレスリリースにて2019年1月26日に地下鉄丸ノ内線でダイヤ改正を行うと公表した( 2019年1月26日(土)丸ノ内線でダイヤを改正します )。今回はこれについて見ていく。
2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!
1. 荻窪発着延長で利便性向上へ
今回の2019年1月26日東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、2018年5月26日ダイヤ改正以来約8か月ぶりにダイヤ改正を実施する。
ただ前回の2018年5月26日ダイヤ改正は中野坂上~方南町間の支線区間のみのダイヤ改正であり、池袋~新宿~荻窪間の6両編成のみが走る区間でのダイヤ改正は2017年10月13日ダイヤ改正以来約1年3か月ぶりとなるが、このダイヤ改正も1分程度の時刻修正しか行われていない。運転区間の延長・短縮を伴うダイヤ改正は2017年1月21日ダイヤ改正以来約2年ぶりとなる。
これまで地下鉄丸ノ内線では平日夕ラッシュ時は毎時25本(約2分24秒間隔)が運転されており3本に1本が新宿止まりとなっていた。しかし今回のダイヤ改正で新宿17~19時台着の新宿止まり毎時8本中毎時2本、合計6往復が荻窪行きに延長されることとなり、新宿行きが4本に1本に減り混雑が分散することとなった。これにより新宿~荻窪間での平日夕ラッシュ時の輸送力は12.5%増強されることとなった。
新宿~荻窪間の昼間の運転本数は毎時12本のまま変わりないことから、昼夕輸送力比は70.6%から63.2%に変化した。
そのほか、平日朝にて茗荷谷行きと後楽園行きを一部交換しているなどの微調整を実施した。
地下鉄丸ノ内線は青函トンネルや瀬戸大橋開通より遅い1988年10月から導入された02系で全運用を賄っているが、民営化してから15年になろうというのに未だに東京メトロになってから新車を入れていない。ほかに東京メトロになってから新車を入れていない路線として半蔵門線があるが、民営化直前の2003年に水天宮前~押上間を延伸した際に運用数が増えたことから08系を導入している。銀座線や千代田線(10両編成)は直通する列車も含めて全て民営化後に導入された車両で統一されたにもかかわらず、丸ノ内線は民営化後新車を導入していないだけではなく、6両編成は25年間同じ編成が運用し続けているのだ。
國鐵廣島も国鉄分割民営化されて15年経った2002年にはすでに言われていたはずだ。営団丸ノ内化しているのは間違いない。
ただこの営団地下鉄丸ノ内線にもこのダイヤ改正直後の2019年2月より新型車両2000系を導入する予定だ。また2022年度までに現在の02系6両編成と同数となる53編成を導入する予定だ。ともなれば、JR西日本広島支社同様3年程度で民営化前の車両を一掃することができる。しかも置き換えるのがレッドウイング227系と真っ赤な2000系ではもろ被りではないか。
2. 方南町発着復便も、6両対応ならず
また今回の2019年1月26日東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、方南町駅ホームの2線化復活に伴い、工事開始前の2018年5月26日ダイヤ改正以前の運転本数に戻った。
ただ、方南町からの6両編成の発着や新宿方面との直通運転は今回のダイヤ改正では実施されないこととなった。本来なら方南町6両編成対応化と同時にダイヤ改正を行うべきなのであろうが、まずは工事に伴い行っていた減便分を戻そうというのはわかる。しかし、方南町始発に将来延長しうる新宿発着の6両編成を減らして荻窪発着に延長し、方南町に乗り入れ可能な本数を減らすのは如何なものか。
そうなると、方南町支線を6両編成での統一は難しくなりそうだ。2019年3月16日地下鉄千代田線ダイヤ改正における北綾瀬支線同様、3両編成を一部存続させるのだろうか。そうしてしまうと、当分の間02系3両編成を存続させる必要性があり、今後も方南町支線のためだけに3両編成を一定数用意しなくてはならなくなる。運用上都合が悪くなるような気もするし、方南町支線からの新宿乗り入れがあまり増やせないようでは、利便性が上がらないどころか、中野坂上でのホーム整理も考えるとかえって悪化するような気もする。どのような展開になるのか見ものだ。
3. 結び
今回の2019年1月26日東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時の新宿発着の列車を荻窪発着に延長することにより、混雑の均等化と新宿~荻窪間での輸送力向上が図られることとなった。
一方、方南町支線は方南町駅ホーム延長工事実施による2018年5月26日ダイヤ改正による減便以前の運転本数に戻ったものの、今回のダイヤ改正では6両編成の乗り入れは実施されず、2018年度に予定されていた方南町6両乗り入れ化は絶望的となった。
今後打倒営団地下鉄丸ノ内線を図るべく導入される新型車両2000系の導入によりどのようなダイヤ改正を実施するのか、3両編成は地下鉄千代田線北綾瀬支線のように一部存続するのか、見守ってゆきたい。
コメント
はじめまして。
新宿止まり電車の荻窪延伸は、西新宿・中野坂上対策を早急にせざるを得なかったのだと思います。乗降客数を見ると、西新宿はこの3年で約1万人も増えています。また、中野坂上と西新宿をあわせると16万で、新宿の23万と比べても結構なボリュームです。
来年度に、4本に1本残った新宿行きを方南町行きにするのではないでしょうか。これにより、新宿~池袋重視から、中野坂上~池袋重視へと舵を切るのではないかと。
また、方南町~中野新橋間の乗降客数は3駅あわせて7万、荻窪~新中野間は5駅で22万ですから、方南町支線を全て6両にするのは過剰サービスかと思います。
※ちなみに、方南町支線への6両乗り入れはもともと19年度予定であり、18年度には予定されていません。
2016年度に発表された「東京メトロプラン2018」の19ページに「池袋方面からの6両編成列車直通運行及び中野坂上駅~方南町駅間の運行形態の見直し 19年度」と明記されています。社内ポスター等でも掲示があります。ご参考まで。
https://www.tokyometro.jp/corporate/profile/plan/pdf/tmp2018.pdf