東京モノレールは2020年12月22日、プレスリリースにて2021年3月のダイヤ改正で終電繰り上げと終日のダイヤ変更を行うと公表した( 2021 年春ダイヤ改正 終電等の見直しについて )。今回はこれについて見ていく。
1. 羽田空港利用者激減で減便実施か
今回の2021年3月13日東京モノレールダイヤ改正では、終電繰り上げのみならず終日の減便も行う。
終電繰り上げは東京都市圏各線や京急空港線同様15分程度の繰り上げとなるのだろう。
ただ今回のダイヤ改正では終電繰り上げのみならず通勤時間帯を含む減便を挙げている。
京急電鉄によれば羽田空港域内3駅の利用客は10月になっても前年比半減であり、東京モノレールもほぼ同等と考えられる。
2002年にJR東日本のグループ会社となったと思いきや、2015年3月14日ダイヤ改正で上野東京ラインが開業したことにより京急に加勢するし、京急も2010年6月28日ダイヤ改正で京急蒲田高架化により空港線の増発及び品川方面速達化を行ったほか2019年10月1日より空港線加算運賃を120円値下げしたことにより東京モノレールの運賃が相対的に割高になってしまった。
そんな中2020年からの旅客大激減がなくても旅客が減っていたのは必然だったし、そんな中空港利用客数が50%減ったとすれば羽田空港輸送を中心に営業している東京モノレールが打撃を受けないはずがない。
ではどのようにダイヤ改正を行うのだろうか。まず羽田空港の利用者減により影響を最も受けているのは昼間を中心に運転している空港快速である。ただ空港快速は浜松町から羽田空港までノンストップで最速で結ぶこと売りとしており、減便して所要時間が長くなれば各種所要時間の広告が優良誤認とみなされかねない。そのため空港快速は廃止になることはない。
ただ一番利用が減った空港快速を中心に減便したいのはもっともで、多少なりとも減便する可能性は高い。
2020年現在平日・土休日とも昼間は空港快速毎時5本、区間快速毎時5本、普通毎時5本の12分サイクルダイヤ計毎時15本、13運用、羽田空港先着本数は昭和島で普通が空港快速に抜かれるため毎時10本となっている。輸送密度的には空港快速全廃止でも運べるし羽田空港先着本数が毎時10本のまま変わらないのだが、空港快速を易々と廃止にできない可能性が高いため半減するとなると、空港快速毎時2.5本、区間快速毎時5本、普通毎時5本の24分サイクルダイヤ計毎時15本、12運用となる。ただこれではプレスリリースにある「ご利用状況を踏まえ、分かりやすさや利便性を考慮」したダイヤとは言えない。
ではどうなるのだろうか。東京モノレールでは2019年まで8月のお盆や12月~1月の年末年始には特別ダイヤを組んでおり、ほぼ終日に渡り空港快速毎時6本、区間快速毎時3本、普通毎時6本の計毎時15本で運転していた。多客期にもかかわらず羽田空港先着本数が毎時10本から毎時9本に減るのは本当に効果があるのか疑問ではあるが、少なくとも天王洲アイル連絡お台場・ディズニーランド方面に向かう旅客が普通により乗ってくれるため多少混雑緩和の効果はあったようだ。
もしこのダイヤから空港快速を半減するとすると、昼間は空港快速毎時3本、区間快速毎時3本、普通毎時6本の計毎時12本、11運用にまで削減できる。こうなれば速達列車は京急空港線の品川方面速達列車と同じ毎時6本を確保できるし、羽田空港先着本数も毎時9本、20分サイクルのダイヤで分かりやすくなる。そう考えると条件は満たしそうだ。
このほか今回の2021年3月13日東京モノレールダイヤ改正では、通勤時間帯の減便も行うとしている。平日朝ラッシュ時は普通しか運転していないが3分30秒間隔で運転しているため1日で最も多い16運用となっている。これを減便すれば老朽化した1000形を新車投入なく一部廃車にできる見込みだ。
2. 結び
今回の2021年3月13日東京モノレールダイヤ改正では、羽田空港利用者の大幅な減少に伴い終日に渡り減便を行う予定だ。
今後東京モノレールでどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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