トロント交通局は12月12日、プレスリリースにて12月17日に1号線(ヤングユニバーシティ線)を延伸しダイヤ改正を行ったと公表した( Line 1 extension opening brings TTC service changes )。今回はこれについて見ていく。
1. 1号線の延伸で利便性向上
今回の2017年12月17日トロント交通局ダイヤ改正では、地下鉄1号線(ヤングユニバーシティ線)が延伸した。地下鉄1号線は文字通りトロント交通局最初の地下鉄路線で、1両当たり23m、幅3.14mという日本の地下鉄はおろか一般型車両よりも車両規格が大きく設計されており、6両編成で運転されている。今回の延伸は1996年のシェパードウエスト駅(旧ダウンズビュー駅)開業に伴う路線延伸以来21年ぶりの路線延伸となっている。今回延伸したのはシェパードウエスト駅(旧ダウンズビュー駅)~ヴォーンメトロポリタンセンター駅の8.6km、6駅で、今回の延伸区間の所要時間は13分となり、地下鉄1号線の全線所要時間は79分となる。
運転ダイヤは、開業前までのシェパードウエスト駅(旧ダウンズビュー駅)発着をヴォーンメトロポリタンセンター駅発着に延長したもので、平日朝夕ラッシュ時は2分30秒間隔、平日昼間は4分間隔、土休日昼間は3~4分間隔で運転される。昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると、62.5%となり、やや昼間が込み合っているようにも見える。ただ、平日昼間と夕ラッシュ時、土休日は全線運転なのに対し、平日朝ラッシュ時(8時~9時30分)は2本に1本がグレンケーン駅以南で折り返すため、トロント中心部では平日夕ラッシュ時より平日朝ラッシュ時の方が運転本数が多くなっている。このことから平日朝ラッシュ時のみ車両運用数をできる限り最小限にするべく、区間運転が実施されているものと思われる。
また今回の地下鉄1号線路線延伸に合わせ、トロント交通局バスの再編を実施したほか、途中駅のダウンズビューパーク駅に2017年12月30日に近郊列車GOトレインのバリー線が新駅を設置することとなり、乗換駅として機能することとなった。GOトレインバリー線は昼間は1時間間隔程度、ラッシュ時に30分間隔での運転となり郊外列車要素が強いが、トロント市北部へのアクセスが向上したものと思われる。
3. 結び
今回の2017年12月17日トロント交通局ダイヤ改正では、地下鉄1号線(ヤングユニバーシティ線)の延伸開業により、ダイヤ改正を実施することとなった。2018年内にはトロント地下鉄1号線の一部でATCが導入されるようになることからも、所要時間短縮が見込まれる。今後どのようなダイヤが組まれるのか、楽しみにしたい。
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