直通運転開始で増発へ! 富山地方鉄道・富山ライトレールダイヤ改正(2020年3月21日)

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富山地方鉄道と富山ライトレ―ルは2019年10月1日、プレスリリースにて2020年3月21日に富山ライトレールとの直通運転開始に伴いダイヤ改正を行うと公表した( 路面電車南北接続の開業日並びに開業後の運行形態や運賃等について )。今回はこれについて見ていく。

1. 直通運転開始へ

今回の2020年3月21日富山地方鉄道・富山ライトレールダイヤ改正では、両線が接続することにより直通運転を開始する。

現在富山ライトレールと富山地方鉄道の間には連絡割引はないが、今回のダイヤ改正で直通運転を開始することで直通列車に限り1乗車当たり210円(IC180円)で富山駅を跨いで利用できるようになる。また定期券も通しの料金で計算できるようになるため富山ライトレールと富山地方鉄道を跨いで利用する際には半額程度となるほか、富山地方鉄道市内線の定期券料金も値下げする。

なお今回の直通運転開始に伴い富山ライトレールの全列車が富山駅停留場に乗り入れるようになることから富山駅北停留場は廃止するほか、路線図を見る限り永楽町停留場の設置は見送りの模様だ。

なお富山ライトレールは2020年2月22日に富山地方鉄道に吸収されるため、直通運転開始直前から富山地方鉄道による運転となる。




2. 直通運転開始で増発へ

では今回の2020年3月21日富山地方鉄道・富山ライトレールダイヤ改正では、直通運転開始に伴いどのようなダイヤを組むのだろうか。

これまで富山ライトレールは富山駅北~岩瀬浜間をひたすら往復しており1系統のみの運転となっているが、今回のダイヤ改正により岩瀬浜発着の全列車が富山駅停留場を通り越して富山地方鉄道市内線各線と直通運転することとなる。

新しい運転系統は、岩瀬浜~富山駅~南富山駅前、岩瀬浜~富山駅~大学前、岩瀬浜→富山駅→環状線→富山駅→岩瀬浜の3系統となり、これにより岩瀬浜発着の列車の運転系統は1系統から3系統に拡大することとなった。

まず平日朝ラッシュ時。現在富山ライトレールは岩瀬浜発富山駅北行きを10分間隔で運転しているが、今回のダイヤ改正でこのほかに城川原発富山駅方面の列車を2本増発し最大毎時8本の運転とすることとなる。これにより城川原→富山駅間で平日朝ラッシュ時の輸送力が33.3%増加し、混雑緩和が図られることとなった。

なお平日朝ラッシュ時の富山ライトレールから富山地方鉄道市内線への直通列車は、南富山駅前行きが毎時4本(うち毎時1本は城川原始発)、大学前行きが毎時3本、城川原始発の環状線乗り入れが毎時1本となっている。

次に平日昼間と土休日ほぼ終日。富山ライトレール区間を運転する列車は15分間隔(毎時4本)のまま変わりなく、毎時1本が岩瀬浜~南富山駅前、毎時1本が岩瀬浜~大学前、残る毎時2本が岩瀬浜~環状線方面での運転となる。環状線と言っているが、岩瀬浜から環状線方面の乗り入れの場合6の字状の運転となることから、どちらかというと路線バスの行き先にある○○循環に近い。

これに伴い富山地方鉄道市内線でも運転系統ごとに岩瀬浜発着分減便を実施する。直通運転開始後もすべての系統が富山駅停留場を経由するため富山駅から各所に向かう分にはほぼ減便の影響を受けないが、富山駅を跨ぐ利用の場合は減便の影響を受けることとなる。

まずは2系統。南富山駅前~大学前間のを運転する列車は昼間毎時6本であるが、今回のダイヤ改正よりうち毎時1本が岩瀬浜~南富山駅前間及び岩瀬浜~大学前間の運転に変更することとなり、南富山駅前~大学前間運転の2系統が毎時6本から毎時5本に削減することとなった。

また環状線は平均14分間隔の運転であるが、環状運転毎時2本と岩瀬浜発着の6の字状運転毎時2本の合計毎時4本(15分間隔)に再編し、運転間隔がのびることとなった。

これらの運転系統再編により富山地方鉄道市内線では富山駅を跨ぐ直通列車が減ることになるが、この改善措置として富山駅でも乗り継ぎが可能になるということはない。

このほかにも平日夕ラッシュ時に岩瀬浜行きを2本増発し15分間隔から10分間隔に短縮することで富山ライトレール区間で輸送力を50.0%増加することとなり、昼夕輸送力比は100.0%から66.7%に変化し、夕ラッシュ時の混雑が緩和することとなる。この2本はおそらく大学前発1本と南富山駅前発1本になるのではないだろうか。そうなると、平日夕ラッシュ時は南富山駅前~大学前間運転の2系統毎時8本のうち毎時2本が岩瀬浜発着となり、残る毎時6本が2系統として残りそうだ。

富山ライトレールは2006年4月にJR西日本の富山港線から転換した路線であるが、路面電車化と富山地方鉄道への移管及び直通運転開始に伴い、JR時代の面影は姿を消すようだ。東京都市圏に無理やり例えれば国鉄分割民営化時に相模線をJR東日本ではなく相模鉄道に継承させて増発を図り、国鉄の面影を跡形もなく消すようなことなのだろう。


3. 結び

今回の2020年3月21日富山地方鉄道・富山ライトレールダイヤ改正では、直通運転開始に伴い富山ライトレール区間で増発を実施するほか、富山地方鉄道市内線全区間への直通運転を行うことで利便性を大きく向上することとなった。

一方富山地方鉄道では富山駅発着利用ではこれまでと大差なく乗車チャンスが確保されるものの、富山駅停留場を跨ぐ場合には直通列車が削減することにより減便することとなった。

今後富山の路面電車でどのようなダイヤ改正を実施していくのか、見守ってゆきたい。

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