富山地方鉄道は2021年3月15日、プレスリリースにて3月21日に富山港線の新駅開業伴い市内電車でダイヤ改正を行うと公表した( 市内電車・富山港線の時刻表について（令和3年3月21日改正） )。今回はこれについて見ていく。
1. 新駅2駅開業へ！
今回の2021年3月21日富山地方鉄道ダイヤ改正では、前回2020年3月21日ダイヤ改正以来約1年ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では富山港線に新駅を設置する。
今回設置するのはオークスカナルパークホテル富山前及び龍谷富山高校前(永楽町)の2駅となっており、ともに道路上の併用軌道に設置する。このうちオークスカナルパークホテル富山前は富山駅～インテック本社前間、龍谷富山高校前(永楽町)はインテック本社前～奥田中学校前間に設置する。このうち龍谷富山高校前(永楽町)は複線区間で両方向に乗降場があるのだが、オークスカナルパークホテル富山前は単線にもかかわらず岩瀬浜方面しか停車しないのだ。
まあオークスカナルパークホテル富山前付近は道路の片側に軌道を敷設しているため、たまたま片側は歩道でありその歩道におまけのように停留場を設置した可能性が高い。
なおこの新駅設置に伴い概ね所要時間が1分延びているほか、富山駅から岩瀬浜の最終は富山駅23時30分発から23時25分発に5分繰り上がることとなった。なお今回のダイヤ改正では富山港線の減便はない。
2. 市内電車で初電繰り下げと終電繰り上げへ
今回の2021年3月21日富山地方鉄道ダイヤ改正では、富山駅以南の市内電車でも初電繰り下げや終電繰り上げなどの運転時間帯短縮を図る。
南富山駅前5時18分発富山大学前行きを廃止し、初電は南富山駅前5時30分発富山港線方面岩瀬浜行きと岩瀬浜始発の富山駅5時55分発富山大学前行きに変更し、南富山駅前→富山駅間で12分、富山駅→富山大学前間で17分繰り下がることとなった。なおこの繰り下げで南富山駅前からの一番電車は富山駅に5時55分に到着するが、北陸新幹線の初列車は東京方面は富山6時20分発「かがやき500号」、金沢・大阪方面は富山6時12分発「つるぎ701号」なので、多少道路事情で遅延しても新幹線接続は保たれそうだ。
ただし富山地方鉄道では富山駅での乗り換えは乗継割引対象外のため、事実上富山駅乗り継ぎができるのは定期券のみということになる。そう考えると現金・ICカード払いで富山駅を跨ぐ場合は南富山駅前5時40分発富山大学前行きまで待たなければならず、22分も繰り下がることとなる。
さらに富山大学前5時56分発南富山駅前行き初電も富山駅6時13分発南富山駅前行きに延長することとなった。これにより富山大学前→富山駅間では初電が富山大学前5時30分発富山港線直通岩瀬浜行きに繰り下がったわけだが、富山駅での乗り継ぎはできないため南富山駅前への初電は富山大学前6時25分発南富山駅前行に29分も繰り下がることとなった。
また今回のダイヤ改正では終電繰り上げも行う。先述したように南富山駅前23時10分発富山港線直通岩瀬浜行き最終を南富山駅前23時04分発岩瀬浜行きに6分繰り上げたほか、南富山駅前23時02分発富山大学前行き最終を廃止し南富山駅前22時35分発富山大学前行きを南富山駅前22時45分に変更し新たな終列車とする。これにより富山駅→富山大学前間で終電が18分繰り上がった。
さらに富山大学前23時42分発南富山駅前行き最終を廃止し、富山大学前→富山駅→南富山駅前間で終電を20分繰り上げることとなった。まあこれでも南富山駅前行き最終は東京からの北陸新幹線最終「かがやき519号」金沢行きからも連絡できるし大阪・金沢方面からの「つるぎ732号」富山行きからの乗り換え時間も14分から8分に短縮するので接続改善と言えそうだ。
このほか環状線では平日は富山駅6時18分発、土休日は富山駅6時21分発の環状運転初列車を廃止し、初電を27分程度繰り下げるほか、終電も富山駅22時16分発から21時47分発に29分繰り上げることとなった。
これを見る限り、富山港線でも多少の終電繰り上げはあったが、富山港線以外の富山地方鉄道市内電車の方が相当初電繰り下げ・終電繰り上げを行っており、相当な合理化を図ったようだ。
3. 結び
今回の2021年3月21日富山地方鉄道ダイヤ改正では、富山港線に新駅を設置するに当たりダイヤ改正を行うこととなった。
ただ終電繰り上げを行うなど合理化を図っている節がある。
今後富山地方鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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