2023年台風7号近畿地方接近に伴い、名古屋近郊・大阪近郊および東海道山陽新幹線で計画運休を含む運休が多数発生している。ここでは今後に生かせる資料として運休の最大範囲をまとめることとする。
今回の台風の進路と鉄道運休の傾向
今回の台風は8月に発生した大型の台風で、当初の予定では8月14日ごろ関東地方に上陸、東京直撃コースを取るはずだった。しかし東側の高気圧が張り出したため西側に大きく進路がずれ、お盆3日目の8月15日に近畿地方に上陸することとなった。このため当初は東京近郊各線が軒並み運休計画を練り始めたが、その後台風の急な進路変更により名古屋・大阪近郊各社で計画運休を練ることとなった。
また8月14日から8月15日にかけて台風のスピードが大きく早まったため、名古屋近郊では当初の予定より早く運休が始まったところも多い。
また2023年8月15日は火曜日で平日あるが、お盆3日目ということもあり通勤客が少ないことから一部の私鉄では当初から平日ダイヤではなく土休日ダイヤで運転するところも多かった。このため当初から減便をしやすい環境ではあった。
一方東海道山陽新幹線はかき入れ時で利用者が多い日に台風が直撃することとなった。
それでは今回の2023年台風7号接近に伴う2023年8月15日運休まとめについて見ていこう。
大阪近郊
大阪近郊では地上を走る鉄道については8月15日の初電から運休する区間も多かった。
JR西日本
JR西日本では当初、台風が直撃する8月15日は在来線はJR京都線・JR神戸線・学研都市線・JR東西線・JR宝塚線の7両編成の普通電車と大阪環状線の8両編成のオレンジの普通電車と大和路線しか動かさない方針でいた。新快速・快速は当初から全運休で、7両普通電車が昼間に乗り入れない琵琶湖線やJR神戸線西明石~姫路間などは全便運休となっていた。
が、実際には強風と大雨が激しく、運休を一切しなかったのは兵庫~和田岬間の和田岬線のみとなっている。また大阪環状線は早期に復帰したため、大阪環状線とJRゆめ咲線はほぼ動いていた。
JR西日本京阪神地区の運休最大範囲は以下の通り。
阪急電車
阪急電車では8月15日は当初土休日ダイヤで運転する予定だったが、台風の接近に伴い大幅な減便を実施、京都線は準急と普通のみ、宝塚線と神戸線は普通のみの運転とし特急・準特急の運転を取りやめ、すべて10分間隔で運転するとした。
ただ、JR京都線・JR神戸線が早々と運休し阪神電車も大阪府内全運休となり大阪から京都・神戸への移動手段が阪急電車と京阪電車に限られたことから混雑し、一部路線で準特急を走らせるに至った。
能勢電車
当初土休日ダイヤで平常運行していたが、10時40分ごろに倒木と接触したため山下~妙見口間で運転見合わせ。当日中に運転再開。
阪神電車
阪神電車では8月15日は土休日ダイヤで運転する予定だった。が、甲子園で行われる高校野球の当日の試合は当然中止のため理世yが少なくなることが見込まれたことから、計画運休としてなんば線直通の快速急行と急行を全便運休とした。
また直通特急は阪神線内折り返しとし、山陽電車への乗り入れを当初から取りやめ、大阪梅田~板宿間の運転とした。
8月15日当日は午前中に大阪梅田~尼崎間、大阪難波~尼崎間が運休した。
山陽電車
山陽電車は当初から8月15日の直通特急の全便運休を決定、全線で普通車のみの運転とした。
なお8月15日13時ごろに台風7号が兵庫県明石市付近に上陸したため、その前後で東須磨~山陽姫路・山陽網干間で運転を見合わせた。
神戸電鉄
8月15日は全便計画運休すると公表があり、実際に行っている。
京阪電車
京阪電車では8月15日は平日ダイヤで運転する予定だったため、そもそも台風が来なくてもある程度空くことが予想された。
このため早い段階から計画運休として特急のほぼ全便運休と昼間の快速急行の減便が決定した。
南海電車
南海電車では8月15日は平日ダイヤで運転する予定だった。
台風7号が和歌山県から上陸するため、難波~和歌山市間を結ぶ南海本線は8月15日の全便運休が前日に決定した。また各支線も軒並み運転を取りやめた。
これにより8月15日に運転したのは南海高野線難波~橋本間とそれに直通する泉北高速線全線となった。
近畿日本鉄道
近畿日本鉄道では8月15日は土休日ダイヤで運転する予定だった。
近畿日本鉄道は当初大阪府・京都府・奈良県内では特急列車のみ運休しそのほかは計画運休の公表がなかったが、8月15日当日になって9時よりほぼ全線で運休すると公表した。
なおけいはんな線もOsaka Metro 中央線の全線運転見合わせにより午前中に2時間程度不通となっていた。
osaka metro
地下鉄のため原則平常運行。
ただし地下鉄御堂筋線・地下鉄中央線・ニュートラムの3路線で一時全線運転見合わせとなった。
その後も地下鉄御堂筋線は中津~江坂~千里中央間、地下鉄中央線は阿波座~コスモスクエア間、ニュートラム全線で終日運休。
大阪モノレール
初電より全便運休
京都市営地下鉄
平常運行
神戸市営地下鉄
平常運行
神戸新交通
8月15日は初電から運休したものの、六甲ライナーは10時30分に、ポートライナーは15時30分に運転再開
名古屋近郊
JR東海
当初8月15日は10時まで運転を行うとしていたが、台風が想定より早く上陸したため8月15日の初電から愛知県・岐阜県・三重県内のすべてのJR在来線で運転を見合わせることとなった。これにより東海道線は浜松~名古屋~米原間で終日運転見合わせとなっている。代替として浜松~名古屋間は東海道新幹線「こだま」を1時間に1本用意している。
なお愛知環状鉄道およびあおなみ線も同様に終日運休している。
名古屋鉄道
8月15日10時より瀬戸線を除く全線で計画運休を行うと公表、予定通り実施
なお瀬戸線は約15分間隔の普通のみ運行
近畿日本鉄道
愛知県内・三重県内(伊賀市を除く)の近鉄全線で8月15日は運休すると公表
名古屋市営地下鉄
原則平常通り運転。
地下鉄鶴舞線は名鉄犬山線・名鉄豊田線との直通運転を取りやめ、赤池~庄内緑地公園間で折り返し運転。
地下鉄上飯田線は名鉄小牧線との直通運転を取りやめるも、平安通~上飯田間で折り返し運転。
新幹線
当初2023年台風7号は東京直撃コースだったため、東京と新大阪を結ぶ東海道新幹線では8月11日の段階で8月13日~16日の間に改革運休を行う可能性があると公表、利用を控えるようよびかけていた。
が、実際に日付が進むにつれ台風のコースがどんどん西にそれていたっため東京都内では運休する必要性がなくなった。一方近畿地方を通るコースとなったため、計画運休として近畿地方全区間を含む名古屋~新大阪~岡山間で8月15日は全便運休を図るとした。
東海道新幹線
8月15日は東京~名古屋間で折り返し運転。「のぞみ」は毎時4本、「こだま」は毎時2本運転(ただしうち毎時1本は東京~浜松間で折り返し)。「ひかり」は全運休のため静岡県内へ向かうには「こだま」を利用。普通車全車自由席。
新横浜6時00分発の「こだま」や浜松行き「こだま」の昼間の設定など様々な行先の列車を設定。
東海道新幹線が混乱したのは台風直撃の翌日8月16日で、静岡県内大雨により9時ごろから14時10分まで東京~新大阪間で運転見合わせ、以後当日は山陽新幹線との直通運転をすべて打ち切り全便新大阪折り返しで運転した。
なお9時ごろの運転見合わせの際には山陽新幹線を含め東京~博多間で全区間を運転見合わせた。これは帰省ラッシュの8月16日に列車を一部しか列車を運転しない場合数少ない列車に乗客が集まって車内が危険な状態になるためだと思われるが、それ以上に駅構内が混雑し危険な状態となり立ち入り規制を行っている。正直8月16日の山陽新幹線の運転見合わせは必要だったのだろうか。
山陽新幹線
8月15日は岡山~博多~鹿児島中央間で運転。
「ひかり」「こだま」は岡山~博多間でほぼ平常通り運行、「こだま」毎時1本運転は確保。
「のぞみ」は岡山~博多間で毎時1本程度運行。
「みずほ」「さくら」は全便広島折り返し、広島~博多~鹿児島中央間で運行。
「さくら」鹿児島中央行きの多くは新山口に増停車、「のぞみ」岡山行きの多くは福山に増停車することで福山と新山口に「こだま」と速達列車合わせて毎時2本の乗車チャンスを確保。
8月16日は静岡県内大雨の影響により9時ごろから12時29分まで新大阪~博多間で運転を見合わせていた。
在来線特急
大阪を発着するJR西日本の在来線特急、名古屋を発着するJR東海の在来線特急、そのほか近鉄特急や南海特急は2023年8月15日は全便運転を見合わせた。
またJR西日本新快速Aシートや京阪プレミアムシートも全列車で営業取りやめとなった。
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