大宮発着はやぶさの上野延長ではやて格下げへ! 東北・上越・北陸・北海道新幹線臨時列車運転(2019年12月~2020年2月冬期間)

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JR東日本は2019年10月18日、プレスリリースにて2019年12月~2020年2月に運転する冬の臨時列車について公表した( 冬の増発列車のお知らせ )。今回は東北・上越・北陸・北海道の各新幹線の2019年冬の臨時列車運転について見ていく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 東北新幹線は引き続き増加へ

今回の2019年12月~2020年2月冬の臨時列車運転では、東北新幹線で増発を実施する。それでは各シーズン同様、東北・北海道新幹線についてエリア別に前年同時期と比べながら見ていく。

1.1. 北海道新幹線で減便へ

JR北海道のプレスリリースによると、2019年冬の臨時列車運転では期間中北海道新幹線で49本(昨年比10本減、16.9%減)を運転する。

東京~新青森間は毎日運転の定期列車として運転する東京8時40分発「はやぶさ7号」新函館北斗行きと新函館北斗15時39分発「はやぶさ32号」東京行きの1往復は、2019年夏の臨時列車運転2019年秋の臨時列車運転では全ての土休日に運転していたが、今回の2019年冬の臨時列車運転では一部の土休日を運休とした。

また前年同時期と比べ一番減っているのは、1往復の片道を回送化したことである。前年度2018年冬の臨時列車運転では東京6時56分発「はやぶさ47号」新函館北斗行きは12月下旬のみならず1月上旬にも運転し、新函館北斗14時18分発「はやぶさ60号」東京行きは1月上旬のみならず12月下旬にも運転していたが、本年度の臨時列車運転では年末年始の帰省ラッシュと逆方向の臨時列車を回送化し、旅客営業をとりやめてしまった。

なお次の2020年3月14日ダイヤ改正では僅少運転だった東京7時00分発「はやぶさ3号」新青森行きを定期化するため、北海道新幹線で運転する臨時列車を変える可能性がありそうだ。




1.2. 大宮発着「はやぶさ」の上野延長で「はやて」格下げへ

またJR東日本秋田支社のプレスリリースによると、今回の2019年冬の臨時列車運転では12月~2月の期間中新青森発着の東北新幹線「はやぶさ」「はやて」は636本(88本増、16.1%増)、秋田発着の秋田新幹線「こまち」で221本(46本減、17.2%減)を運転する。

秋田新幹線「こまち」が若干減便しているのは毎週末に設定していた2往復の臨時列車のうち1往復を毎週末から運転頻度を減らしたためだと思われる。

また新青森発着の臨時「はやて」の設定も大幅に減り、新青森発東京・上野方面では臨時「はやて」の設定がなくなってしまった。これにより期間中運転する新青森発着臨時「はやて」は2019年12月28日~31日運転の上野9時18分発「はやて375号」新青森行きと2019年12月28日~30日運転の上野9時43分発「はやて379号」新青森行きの2本のみとなってしまった。

このうち上野9時18分発「はやて375号」新青森行きは何年も前から運転しており、グランクラスなしのE2系10両編成で運転するため正真正銘の「はやて」なのだが、上野9時43分発「はやて379号」新青森行きはシートのみ営業のグランクラスを設置しているためE5系固定運用にもかかわらず「はやて」で運転するほか、今回の2019年冬の臨時列車運転で新登場した列車なのだ

しかもよく見ると新青森到着は13時08分着で、三連休に運転している大宮10時10分発「はやぶさ69号」新青森行きと同着で、停車駅も大宮以北は仙台、古川、一ノ関、北上、盛岡、八戸と停まり運転区間を上野発に延ばしただけなのだ。にもかかわらず大宮発時刻をわざわざ7分繰り上げて所要時間を延ばし、「はやぶさ」から「はやて」に格下げしたのだ

いや、大宮発「はやぶさ」を上野発に延ばしてE5系運用のままだったら、なぜ上野9時50分発で設定して「はやぶさ」のまま運転しないのだろう。その方が所要時間も短いし大宮~盛岡間で520円追加徴収できるのに、わざわざ格下げし減収させたのは利用者視点では嬉しいのかもしれないが会社からすればもはや背任同然の行為にしか見えない2020年3月14日ダイヤ改正後の時刻もかなり雑だが、この会社本当に大丈夫なのか?

ちなみに大宮発着「はやぶさ」は今回の2019年冬の臨時列車運転から大幅に運転日を増やし、概ね毎週末に1往復運転することとなった。多客期は先述した新登場の上野始発のE5系「はやて」として運転するのでさらに利便性が増したようだ。

1.3. 「はやぶさ」大増発で上野発着増加へ

またJR東日本盛岡支社のプレスリリースによると、今回の2019年冬の臨時列車運転では12月~2月の期間中盛岡を経由する東北新幹線「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」は期間中813本(112本増、15.8%増)の運転となっている。

今回の臨時列車設定では2019年夏の臨時列車運転にも増して上野発着「はやぶさ」が増えている。東京駅の新幹線ホームが逼迫しているのは明らかなのだが、少なくとも乗降に時間のかかり走行性能が一番悪いE4系が引退するまでは続きそうだ。

1.4. 東北新幹線各方面で増発へ

またJR東日本仙台支社のプレスリリースによると、今回の2019年冬の臨時列車運転では12月~2月の期間中「はやぶさ」は690本(前年比131本増、23.4%増)、「はやて」は18本(前年比44本減、71.0%減)、「やまびこ」は207本(前年比0本増、0.0%増)、「つばさ」は347本(前年比10本増、3.0%増)の臨時列車を運転することとなり、「なすの」を除く東北新幹線臨時列車は期間中1,226本(昨年比97本増、8.2%増)を運転する。

なお「なすの」は期間中44本運転する見込みで、東北新幹線臨時列車の総数は1,270本となる。




2. 上越新幹線では座席数確保のため増発へ

またJR東日本新潟支社のプレスリリースによると、今回の2019年冬の臨時列車運転では12月~2月の期間中上越新幹線臨時「とき」「たにがわ」は1,204本(前年比88本増、7.9%増)を設定する。

スキー客が減っているにもかかわらず前年比で増発となっているのは、2019年3月16日ダイヤ改正より上越新幹線ではE7系を順次導入しE4系2編成をE7系1編成で順次置き換えたため1編成あたりの平均輸送力が落ちたこと、北陸新幹線E7系の浸水被害によりE4系を延命するとしているが一部E4系2編成をE2系1編成で置き換えていることもありさらに1本あたりの輸送力が減少していることなどが挙げられる。

3. 北陸新幹線は車両不足で増発ままならず

またJR東日本長野支社及びJR西日本金沢支社のプレスリリースによでは、北陸新幹線の臨時列車は車両浸水で一部使用不能となったため2019年冬の臨時列車運転のプレスリリース公表までに運転本数を決定できなかった。

そもそも2019年10月25日の北陸新幹線臨時ダイヤでは定期列車の運転もままならなかったが、さすがに年末年始の多客期には臨時列車を運転しないと捌けないので上越新幹線向けに導入するはずだったE7系を北陸新幹線に転用して直前まで調整し最大限増発することとした。

今回の冬の臨時列車運転では北陸新幹線で期間中553本(前年比317本減、36.4%減)のみの運転となる。愛称別内訳を見ていくと、「かがやき」は299本(前年比273本減、47.7%減)、「はくたか」は9本(前年比5本減、35.7%減)、「あさま」は245本(前年比39本減、13.7%減)の臨時列車を設定する。

今回の臨時列車設定では最速達で運転区間の長い「はくたか」が一番前年比で削減しており、むしろ運転区間の短くて利用者の少ない「あさま」の削減は北海道新幹線や秋田新幹線「こまち」と同水準に抑えられている。

2018年度の北陸新幹線の輸送密度を見ると、高崎~長野間は43,278人/日・往復に対し長野~上越妙高間は24,781人/日・往復しかおらず、実は北陸新幹線利用者の42.7%以上は旧長野新幹線区間しか利用していないのだ。しかもこの輸送密度は複数駅間の隣駅間輸送密度を距離で平均したもののため、高崎~軽井沢間ではさらに輸送密度が高くなるはずだ。

確かに通常ダイヤであれば東京~長野間の利用も最速達の「かがやき」を利用した方が早く着くので多くの自由席にこだわらない人は臨時列車を含め「かがやき」を利用する人は多いが、車両不足が起き列車が十分に運転できない今長野までの利用なら「あさま」を利用してもらうよう誘導することはできる。特に混んでいるのは高崎~軽井沢間なのだから、最混雑区間の運転本数を極力確保しようという点で考えると同じ運用数で設定できる「かがやき」2本より「あさま」3本の方が有用なのだ。そう考えると、極力「かがやき」には東京~長野間利用の旅客を乗せず、「あさま」を極力増発して座席数を確保した方が良いと考えたのではないだろうか。

また年末年始の「かがやき」を中心とする運転本数不足を旅客の分散でカバーするためお先にトクだ値では東京~金沢間でこれまで設定のない30%割引での発売をオフシーズンに実施することとなった。

北陸新幹線は2020年3月14日ダイヤ改正で運転本数を被災前の水準に戻すとしているが、10本被災したうち5本しか新製配備していないことを考えると戻るのは定期列車のみで臨時列車は今後も多客期を中心に十分な運転本数が設定できない可能性が高い。今後どのような臨時列車を設定するかは見ものだ。


4. 結び

今回の2019年10月~11月東北・北海道・上越・北陸新幹線秋の臨時列車運転では、東北・上越新幹線では遠距離列車を中心に増発が図られた。

ただ、大宮発着「はやぶさ」の上野延長により「はやて」に格下げするなど、未だに発展途上な点が多い。

今後東北・上越・北陸・北海道の各新幹線でどのような臨時列車を設定するのか、2020年3月14日ダイヤ改正以降ではどのように変化するのか、楽しみにしたい。

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