北京地下鉄は2018年8月28日、微博にて8月29日にダイヤ改正を行うと公表した( 8月29日起,北京地铁4条线路提高运力助力9月缓堵 )。今回はこれについて見ていく。
1. 運用増加でラッシュ時を中心に間隔短縮へ
今回の2018年8月29日北京地下鉄ダイヤ改正では、4つの地下鉄路線で増発を実施する。
まずは地下鉄7号線。中国鉄路北京西駅と朝陽区の焦化廠を結ぶ全長23.7kmの路線で、8両編成B型車が用いられる。
今回のダイヤ改正では24運用から26運用に増強することにより、平日朝ラッシュ時の運転間隔を4分間隔から3分30秒間隔に短縮させ、輸送力を14.3%増加させる。なお、平日夕ラッシュ時は4分間隔、平日昼間は6分間隔のまま据え置かれることとなるから、昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は75.0%のまま維持される。
地下鉄7号線は八通線とともに2019年12月にユニバーサルスタジオ北京への延伸が計画されていることから、ますますの需要増大に期待が持てそうだ。
次に北京市中心部から北へ伸びる地下鉄8号線。6両編成B型車が用いられているが、今回のダイヤ改正に合わせ36運用から41運用に増強することにより、平日朝ラッシュ時は2分53秒間隔から2分30秒に短縮し輸送力が15.3%増強された。
地下鉄8号線では2018年12月に現在の南の終点南鑼鼓巷~中国美術館間の延伸を実施する見込みであるから、その準備も兼ねているのだろう。
また平日夕ラッシュ時後のオフピーク時間帯には、7分間隔から6分間隔に短縮し、輸送力は16.7%増加した。
次に北京市中心部から南西に延びる地下鉄9号線。こちらも6両編成B型車が用いられているが、2018年4月3日ダイヤ改正以来約5か月ぶりのダイヤ改正が実施され、昼間の運転間隔が5分間隔から4分30秒間隔に短縮し、輸送力が11.1%増加した。
平日昼間は4分30秒間隔、平日夕ラッシュ時は3分25秒間隔での運転が維持されることから、昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は75.9%のままとなる。
なお、前回の2018年4月3日ダイヤ改正で同時にダイヤ改正を行った郭公荘で接続する房山線のダイヤ改正は今回見送られることとなった。
最後に世界一大きい環状地下鉄となっている地下鉄10号線。こちらも6両編成B型車が用いられているが、平日夕ラッシュ時の内回り(時計回り)は2分05秒間隔から2分間隔に短縮し輸送力が4.2%増加するほか、外回り(反時計回り)は2分30秒間隔から2分15秒間隔に短縮し11.1%増加することとなった。
2. 結び
今回の2018年8月29日北京地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄7号線と地下鉄8号線で車両増備が行われ平日朝ラッシュ時の増発を実施したほか、そのほかの路線や時間帯でも車両増備を行うことなく増発が実施されており、利便性が向上した。
北京地下鉄では2018年12月に地下鉄6号線海淀五路居~金安橋間が開業し地下鉄1号線と乗り換えられるようになるほか、2018年12月30日に開業した地下鉄S1号線と接続することで飛び地路線が解消する見込みだ。また地下鉄8号線では先述した南鑼鼓巷~中国美術館間の延伸のほかに珠市口~濠海間が開業するが、同じく北京を走る京港地下鉄14号線同様既存開業区間とは分断される形での開業となる見込みだ。
今後新線開業などに伴い北京地下鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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