西日本鉄道は2021年5月10日、プレスリリースにて5月12日以降の土休日は臨時ダイヤで運転すると公表した( 運行・営業情報 )。また福岡市交通局は2021年5月10日、プレスリリースにて5月12日以降の土休日は臨時ダイヤで運転すると公表した( 終電時刻繰上げについて )。今回はこれらについて見ていく。
1. 臨時ダイヤ設定で昼間の急行消滅と終電繰り上げへ
今回の2021年5月12日より実施の西日本鉄道臨時ダイヤ運転では、2021年2月中の西日本鉄道土休日臨時ダイヤ運転以来約3か月ぶりに臨時ダイヤで運転を行う。
今回の臨時ダイヤの内容は平日含め全日の実施で、終電繰り上げを行う。
今回行う終電繰り上げは西鉄福岡(天神)~西鉄柳川間は25分~40分程度、大牟田→西鉄柳川間では59分終電を繰り上げている。
これにより西鉄福岡(天神)からの最終は西鉄福岡(天神)23時35分発普通筑紫行きから西鉄福岡(天神)23時00分発急行西鉄柳川行きに35分繰り上がったほか、西鉄二日市までの急行通過駅の最終は西鉄福岡(天神)22時50分発普通花畑行きに45分繰り上がることとなった。
また貝塚線では57分程度終電を繰り上げることとなった。
なお終電繰り上げは平日も行う。
まあ平日の臨時ダイヤは終電繰り上げのみなので2021年3月13日西日本鉄道ダイヤ改正以降のダイヤから終電を繰り上げただけなのだが、土休日臨時ダイヤはダイヤ改正前の2021年2月の臨時ダイヤから終電を繰り上げているため2021年3月13日ダイヤ改正で廃止となった土休日朝ラッシュ時の特急運転や日祝ダイヤの減便が反映されていないのだ。つまり今回の臨時ダイヤは朝夕を中心に日曜祝日でかえって増発してしまっているのだ。おいおい、2021年3月13日ダイヤ改正で土曜ダイヤと日祝ダイヤを分けたのは今回のような臨時ダイヤを組む時に日祝ダイヤから減便を図ってさらなる減便ダイヤを組むためではなかったのか。
このほか2021年5月より実施の西日本鉄道臨時ダイヤ運転では、土休日は21時ごろまで2021年2月実施の臨時ダイヤと同一の内容で減便を図る。このため天神大牟田線では昼間の急行毎時4本は全て運休になるし、貝塚線では昼間の普通電車が半減し毎時4本から毎時2本に、甘木線・天神大牟田線大善寺~大牟田間でも昼間の普通電車が半減し毎時2本から毎時1本に、大宰府線では全日に渡り列車を半減し終日概ね毎時2本の運転となる。
2. 終電繰り上げで直通先も減便へ
今回の2021年5月12日より実施の福岡市交通局臨時ダイヤ運転では、全日に渡り終電繰り上げを行う。
今回終電繰り上げを行うのは地下鉄空港線・地下鉄箱崎線・地下鉄七隈線の全線で、終電を50~60分程度繰り上げる。おかげさまで福岡市交通局全線でほぼ23時ごろに終電が出発することとなったほか、地下鉄空港線の終電は福岡空港23時09分発普通西唐津行きとなり、天神への最終も佐賀県の唐津への最終も同じ電車となる始末である。なおこの地下鉄空港線の終電繰り上げによりJR九州でも筑肥線の筑前前原行き2本を運休している。
また先述した西鉄の終電繰り上げは地下鉄から連絡する列車がなくなるから運休したに等しいのだ。
この終電繰り上げにより地下鉄空港線では山陽新幹線最終「のぞみ59号」博多行き(博多23時51分着)及び九州新幹線最終「さくら410号」博多行き(博多23時55分着)から連絡できなくなり、姪浜や筑前前原への最終は東京・新大阪方面からは40~45分程度、熊本・鹿児島中央方面からは最大1時間24分繰り上がることとなった。
ただ福岡市交通局も土休日昼間の減便は行おうと思えば行えただろう。もっとも地下鉄空港線は日頃から多くの利用がありJR九州筑肥線とも直通運転を行っているので土休日昼間の減便は難しいだろう。しかし地下鉄箱崎線は昼間毎時8本中天神に乗り入れない中洲川端始発終着の毎時4本は運休しても良かっただろうし、地下鉄七隈線も昼間7分30秒間隔(毎時8本)から10分間隔(毎時6本)に減便することくらいはできただろうに。
もっとも今回の福岡市交通局の終電繰り上げは大幅かつ最終新幹線の接続も切ってしまっているのでおそらく一時的なものであって恒久化する可能性は低そうだ。
3. 結び
今回の2021年5月西日本鉄道・福岡市交通局・JR九州臨時ダイヤ運転では、終電の繰り上げを図ったほか、西日本鉄道では前回の臨時ダイヤ同様の昼間の減便を図り昼間から急行が消えることとなった。
今後福岡都市圏の鉄道各社でどのような臨時ダイヤを組むのか、見守ってゆきたい。
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