阪急電鉄は2019年3月20日、プレスリリースにて2019年3月~5月運転の臨時列車について公表した( 2019年春の臨時直通列車運転・嵐山線ダイヤのご案内 )。今回はこれについて見ていく。
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1. 阪急の臨時列車削減と集約へ
今回の2019年3月~5月阪急電鉄春の臨時列車運転では、春の行楽シーズンに合わせ嵐山線嵐山発着の臨時列車が設定される。
阪急の臨時列車は例年3月~5月の春と11月の秋に実施されており、嵐山線嵐山から桂でスイッチバックして京都線河原町に運転する快速特急さがのを運転したり、地下鉄堺筋線に乗り入れて天下茶屋発着の直通特急ほづを運転したり、十三でスイッチバックして神戸線に直通し今津線経由宝塚発着直通特急とげつや、神戸高速線に直通し高速神戸発着の直通特急あたごなど、定期列車の運転では見られない直通列車が多くの線区で運転されていた。
しかし、今回の2019年3月30日~4月7日の土休日及び4月27日~5月5日の臨時列車運転では、土休日の臨時列車を全て梅田~嵐山間運転の快速特急とげつのみに統一し、京都線以外の路線やスイッチバックでの乗り入れを中止したのである。
これにより天下茶屋発着直通特急ほづや高速神戸発着直通特急あたごなどのスジを梅田発着快速特急とげつに転用し、1往復から3往復に増加することで輸送力低下を抑えた。
また2019年1月19日ダイヤ改正で土休日昼間の快速特急が十三通過の快速特急Aと合わせて2時間に1本から1時間に1本に増加したことにより、嵐山線と接続する桂への先着列車が増加することとなった。
またこの梅田発着の快速特急とげつの増発により、梅田9時32分発~10時52分発及び梅田16時28分~17時48分着までは嵐山発着及び河原町発着合わせて快速特急及び快速特急Aが20分間隔で運転され、梅田~桂まで特急と合わせて毎時9本の先着列車が設定されることとなった。
このように大幅に直通が縮小している背景は、これまで臨時列車運用に就いていた7000系6両編成を京とれいん雅洛に改造してしまったことにより土休日に快速特急として定期運用を持ってしまい、京都線より一回り小さい神戸線・今津線に乗り入れられる車両の運用確保が困難となってしまい、臨時列車の直通区間を減らさざるを得なくなってしまったためであると思われる。
2. 平日は運転維持へ
今回の2019年3月~5月阪急電鉄春の臨時列車運転では、平日にも春の行楽シーズンに合わせ嵐山線嵐山発着の臨時列車が設定される。
運転日は3月26日~3月28日及び4月2日~4月5日の火曜日~木曜日で、西宮北口発着の嵐山線直通特急あたごが運転される。
これは平日は従来通り7000系6両編成の運用が確保できることから、2018年春の臨時列車運転より平日に運転している西宮北口発着の嵐山線直通特急あたごは前年同様運転されることとなった。今回の2019年春の臨時列車運転より西宮北口発着の嵐山線直通特急あたごに2019年3月23日より運転を開始した京とれいん雅洛を使用するとしているが、ただこれまで使用してきた7000系6両編成を改造したに過ぎず、車両の変更はなさそうだ。
しかし平日運転の直通特急あたごも運転時刻変更が実施されており、西宮北口10時31分発から9時51分発に、嵐山16時20分発から16時09分発に、それぞれ繰り上がることとなった。
3. 結び
今回の2019年3月~5月阪急電鉄春の臨時列車運転では、神戸線に乗り入れられる車両運用の余裕がなくなったことにより、土休日の嵐山直通臨時列車は全て京都線梅田発着の快速特急とげつに集約されることとなった。
一方、土休日のピーク時間帯に梅田発着の快速特急及び快速特急Aを20分間隔で運転させ、利便性向上を図っている。
今後阪急電鉄でどのような臨時列車が設定されることになるのか、見守ってゆきたい。
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