E131系投入と209系8両固定運用化へ! JR東日本千葉支社ダイヤ改正(2021年3月13日)

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E131系投入と209系8両固定運用化へ! JR東日本千葉支社ダイヤ改正(2021年3月13日)

JR東日本千葉支社は2020年12月18日、プレスリリースにて2021年3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 2021年3月ダイヤ改正について )。今回はこれについて見ていく。

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1. E131系運転開始へ!

今回の2021年3月13日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、新型車両E131系を投入する。

今回投入するE131系は2両固定編成でワンマン運転に対応している。ただし全区間がSuicaエリアのため車内での運賃収受は行わない。

E131系が運転するのは内房線・外房線木更津~館山~安房鴨川~上総一ノ宮間と成田線・鹿島線成田~佐原~鹿島神宮間となっているほか、原則ワンマン運転となる。

では各線ごとにE131系の運用に伴う変化について見ていく。




1.1. 内房線では終日運用も外房線はオマケか

まずは内房線。E131系は原則2両での運転となるが、内房線では館山に8時10分ごろに到着する列車を中心に2両編成を2本つないだ4両編成で運転する(4両運転でもワンマン運転実施)。このため朝から昼にかけてE131系は解結を行う。

ただ内房線君津~大貫間は平日夕ラッシュ時はE131系のみの毎時2両で賄いきれるはずもなく、かつ富津市内は千葉とのつながりもそこそこ残っている(安房の南房総市・館山市・鴨川市まで行くともはや隣県並みの別世界なので直通列車がなくても地域輸送的には致し方ないと割り切れるのだが)。このため夕方~夜間の君津発着の209系毎時1本を上総湊発着に延長し、君津~上総湊間は平日夕ラッシュ時毎時1本から毎時2本に増発することとなった。おそらく昼間から夕方にかけての増解結をしないためだろう。

まあ内房線・外房線向けE131系は内房線はほぼ終日に渡り木更津~館山~安房鴨川間で運用があるのだが、外房線上総一ノ宮~安房鴨川間を運転するのは昼間だけなのだ。これは内房線では朝に4両運転を行うためにE131系を外房線で走らせる余裕がなくなるためなのだが、これにより内房線は今回のダイヤ改正でさらに系統分割が進み館山から千葉への直通列車が減ったにも関わらず外房線の209系運用は朝夕はほぼ変わらないため大原・勝浦から千葉への直通列車は朝夕はほぼ存続しているのだ

そう考えると外房線のE131系運用は内房線のオマケでやっているようなものなので、内房線の延長でやってるんだから内房線から直通運転を行うのは至極当然ということになるのだが(おかげで昼間は木更津~館山~安房鴨川~上総一ノ宮間の直通列車毎時1本を3時間30分かけて運転するのである)、外房線も土休日朝に上総一ノ宮~勝浦間で209系普通列車を臨時設定するなど動きが不穏なのである。おいおい2両化の見切り発車感がすごいのだが、勝浦乗り換えにしてE131系を勝浦以南にするのではダメだったのか?

動労千葉の資料によればワンマン化により車掌の行路距離は減ったが、209系運用数が想定より減らなかったために運転士の行路距離が総じて増えているのである。まあ30年後の過疎化まで想定しているからだとは思うが、少し気が早かった気がしなくもない。




1.2. 鹿島線は車両変更のみでほぼ変更なしへ

次に鹿島線。鹿島線は209系運用をそのままE131系2両編成に置き換えることとなった。まあそもそも鹿島線は原則佐原~鹿島神宮間の折返し運行しかしていないので、大きな影響はない。

なお成田線成田~佐原間は送り込みを兼ねてるので車掌が乗務する。強いて言えば運用繰りの関係で鹿島神宮22時13分発最終成田行きが佐原で系統分割したくらいだろう。

また鹿島線の総武快速の運転は引き続き行う。




2. 209系減車で内房線・外房線の10両編成普通列車削減へ

今回の2021年3月13日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、209系の編成短縮を行う。

今回のE131系投入により209系の運用自体が減るのだが、この運用減に便乗し6両固定編成26本中5本を4両編成に短縮している。

そもそも総武線と成田線は東千葉のホーム長の関係で普通列車は最長8両までの運転なのだが、内房線は館山まで11両が入り快速通過の巌根も10両までは入るし、外房線も上総一ノ宮まで10両が全駅停車できるので209系の4両と6両をつなげた10両編成での運転を朝夕を中心に行っていた。しかし今回の減車で6両固定運用分以外の6両編成運用が全て4両に減車したことから、4両+6両の10両編成を組めなくなり、内房線・外房線の209系10両編成が4両+4両の8両に減車することとなった。

ただ昼間は内房線も外房線も4両編成では足りないし6両固定編成がなくなってしまったので、昼間も8両編成で運転することとした。なお東金線の外房線直通千葉乗り入れ列車は4両編成から6両編成に増車することとなった。

これにより朝から昼にかけての解結や昼から夜にかけての増結がなくなり、8両で運転する列車は8両で組んだままとなった。

まあ朝夕ラッシュ時に使う編成を昼間に減車せず使うのは大手私鉄の常套手段なので問題はないのだが、大手私鉄では昼間の空気輸送覚悟でも地域輸送性を確保するのに対しJR東日本では増解結廃止に伴う昼間の増車により昼間の減便を図るのが常である(2017年3月4日JR東日本高崎支社ダイヤ改正における両毛線の減便など)。ただ今回のダイヤ改正では昼間に増車したにもかかわらず内房線は昼間毎時3本、外房線は東金線直通毎時1本を含め昼間毎時4本のまま変わりないのだ。もっとも外房線は京葉快速の昼間乗り入れ中止や東金線直通列車を大網折返しにするなどして蘇我~大網間で昼間毎時4本から毎時3本に減らしても良かったはずなのだが、今回のダイヤ改正では据え置くこととなった。

ただ、どうせ8両運用固定にするのであれば6両編成を短くして4両編成を作って2本つなげて8両にするのではなく、4両編成の先頭車を廃車にして中間車2両を6両編成に増結して8両固定編成にした方が良かったのではないか。そもそも209系4両編成の一部は先頭車のみ旧式ドアエンジンの車両があり点検が面倒なほか他の車両と比べても経年していること、中間車は現在6両編成で使用している編成から抜き取ったものであるため互換性も高いはずであること、運転台の数が減れば車両定員の減少を少しでも抑えられること、先頭車のみについているトイレの配置数が8両編成につき2か所から1か所に減るため維持に費用が掛からないことなど、いいことづくめである。

もっとも6両編成を延ばして8両固定編成を組んだところでそれだけで8両運用をすべて賄いきれるわけではないので4両+4両運用も残るしおそらく共通運用になるのだが、一部の編成にしか適用しないとはいえ維持費用が少なくなるのは間違いない。そう考えるとなぜ6両編成の増車ではなく減車としたのかが意図不明なのだ。

これにより平日朝夕も内房線や外房線の209系10両編成を8両編成に減車することとなったのだが、朝夕には両線とも15両の総武快速及び10両の京葉快速概ね毎時1本ずつの運転があるので輸送力の減少はある程度抑えているようだ。もっとも平日夕ラッシュ時は10両編成から8両編成に減車しても問題ないのだが、209系4両+6両を2両+8両に組み替えて阪急のように朝だけ10両、昼と夕方は8両にしても良かったのではないかとは思う。

なおこの車両運用変更により館山乗り入れの209系は原則6両編成だったが、今回のダイヤ改正より内房線の209系は終日原則8両で運転することから6両から8両に増結することとなった。

また内房線では夜間に千葉~木更津間にて京葉線用E233系10両編成による普通列車運用が2往復あるため、厳密には内房線から10両編成の普通列車がなくなるわけではない。




2.1. 209系減車は車両置き換えと関連があるのか

では今回の209系の減車は今後の車両置き換えと関係があるのだろうか。

労組資料によれば2024年以降に京浜東北線及び横浜線のE233系をE235系に置き換える話もあり、E231系はワンマン改造の上房総各線の209系を置き換えるとしている。もっとも横浜線用8両固定編成であれば改造も楽だし全車貫通編成になり定員ロスも減らせるし拡張車体のため立席定員を増やせるなどメリットが多い。ただ最短3年後には行うであろう減車を2021年の今にわざわざ費用をかけてまで行うことかとは思う。

JR東日本では2020年からの大幅な利用減により2020年度は赤字必至、2021年度以降も予断を許さない状況となっている。このことから車両更新周期を延ばすと経営計画で明言しており、最高速度引き上げに関わる上越新幹線用E7系や山形新幹線用E8系の投入は恐らく予定通り行うものの車両性能向上と関係なくメンテナンス周期も既に国鉄時代と比べ間隔が伸びていることから年間保守費用が既に少ないE231系やE233系は置き換えるメリットが少ない。

まあ総武快速用E217系はもうE235系に置き換えると言ってしまっているので2020年度も順次置き換えは進んでいるし、おそらく既に車両生産ラインも予定通りE235系を製造する予定で組んでいるためJR東日本が安易に取消や延期ができなくなっているものと思われるが、労組資料には出てくるものの未だ公表していない車両置き換えについては車両更新を延期するのではないだろうか。

わざわざ費用をかけてまで209系を減車したということは、おそらく京浜東北線や横浜線へのE235系投入を当初の予定より遅らせるためではないだろうか。


3. 結び

今回の2021年3月13日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、E131系の投入開始により内房線・外房線木更津~館山~安房鴨川~上総一ノ宮間や鹿島線でワンマン運転を開始することとなった。

一方で209系で減車を行ったため朝夕の内房線・外房線普通列車で減車を図ることとなった。

今後車両置き換えが断続的に続く中、JR東日本千葉支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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