JR東海は2020年10月16日、プレスリリースにて2020年12月~2021年2月に運転する冬の臨時列車について公表した( “冬”の臨時列車のお知らせ )。今回はこのうち東海道本線臨時快速ムーンライトながらについて見ていく。
1. ムーンライトながら、無期運休のまま廃止か!
今回の2020年12月~1月JR東日本及びJR東海臨時列車運転では、東海道本線臨時快速ムーンライトながらの設定を見送った。
そもそも東海道本線臨時快速ムーンライトながらは、乗車券の他530円の座席指定券のみで利用できた。ただこれが仇となり、座席の9割が埋まらないと採算が取れない状況になっていた。また閑散期の座席指定料金330円では満席になっても利益が出ないことから、近年は閑散期の設定は行っていなかった。
そもそも利益を出すために密になることが必要な東海道本線臨時快速ムーンライトながらであったが、2020年からの旅行客大幅減によりそもそも長距離旅行利用が半分以下となってしまい、快速ムーンライトながらを定期列車から臨時列車に追いやった夜行高速バスでさえ大幅に減便している。そんな中で臨時快速ムーンライトながらが満席になるはずがない。
また現在臨時快速ムーンライトながらにはJR東日本185系を使用しているが、2021年3月JR東日本ダイヤ改正で東海道本線特急「踊り子」から185系が撤退する見込みとなっている。また置き換え後のE257系は特急「踊り子」運用を賄うだけでギリギリの本数しか導入する見込みがなく、大垣に丸1日置いておく必要がある臨時快速ムーンライトながら運用に就く余裕がない。
そう考えると2021年以降東海道本線臨時快速ムーンライトながらを運転する可能性はほぼゼロに等しく、このまま廃止になる可能性が極めて高い。
(2021/1/22追記) 東海道本線快速「ムーンライトながら」の正式廃止が決まりました。
2. 結び
今回の2020年12月~1月JR東日本及びJR東海臨時列車運転では、東海道本線臨時快速ムーンライトながらの設定を見送ることとなった。
今後JR東日本とJR東海の間でどのように列車を設定していくのか、見守ってゆきたい。
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