青島地下鉄は2018年12月28日、プレスリリースにて12月26日に地下鉄13号線を開業したと公表した( 13号线开通首日客流3.7万人次 )。今回はこれについて見ていく。
1. 新線開業でアクセス向上へ
今回の2018年12月26日青島地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄13号線が開業した。
青島地下鉄13号線は井岡山路と同日開業の中国鉄路青塩線と乗り換えられる董家口国鉄駅間を結ぶ70km、21駅にも及ぶ路線となっており、全線所要時間は1時間11分となっている。ただ長距離ながらも、全区間が青島市黄島区内で完結している(外部サイトの路線図はこちら)。
今回開業した21駅中7駅が地下駅、14駅が高架駅となっている。最高速度は120km/hと郊外路線並みであり、4両編成B型車が用いられている。
ただこの地下鉄13号線は他の青島地下鉄の路線とは接続しておらず、飛び地路線となっている。一見すると開業当初の営団地下鉄(現:東京メトロ)南北線の初期開業時に他の営団地下鉄路線と連絡していないのと同じように見えるが、南北線の場合は駒込でJR山手線の乗り換えて池袋に行くか王子でJR京浜東北線に乗り換えて西日暮里に行けば他の地下鉄路線と接続できるため、他社線となるJR東日本線に乗るのはせいぜい10分程度であった。
しかしもし青島地下鉄13号線から他の青島地下鉄路線に鉄道だけで乗り継ぎしようとすると、中国鉄路青塩線に乗り継がなくてはならないが、1日3往復しか運転がない上に青島地下鉄3号線と乗り換えられる青島北まで55分もかかる。そりゃあ104kmもあれば55分かかってもいいじゃないかと思うかもしれないが、そもそも接続に100kmもかかる方がおかしい。
これは対岸の青島市中心部の間に膠州湾があることで膠州湾を跨いで開業する予定の地下鉄1号線の工事が難航し、2013年から工事開始と青島地下鉄の他の路線と比べてかなり早い時期から着工しているにもかかわらず、開業予定は2020年12月となってしまっている。
ボスポラス海峡を跨ぐイスタンブール地下鉄5号線ですら着工から5年で開業したにもかかわらず、全国で地下鉄開業ラッシュの続く中国でこんなに開業が長引くのは珍しい。どうやら膠州湾を地下トンネルで8kmに渡り通り抜けるのが難工事のようだ。
それまでは膠州湾を横断するトンネルバス(約8分間隔)で40分かけて横断しなければならないようだ。
2. ダイヤはどうなる
では今回開業した青島地下鉄13号線のダイヤはどうなるのだろうか。
運転系統は全線運転と区間運転に分かれており、全線運転となる井岡山路~董家口国鉄駅運転が終日14分50秒間隔、区間運転となる井岡山路~大珠山間の列車が終日14分50秒間隔での運転となっており、全線運転列車と区間運転列車の双方が走る井岡山路~大珠山間では7分25秒間隔で運転されている。また終日運転間隔が変わらないため昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は100.0%となっている。
また初終電について見ていくと、初電は下り(西行き、井岡山路発董家口国鉄駅行き)が井岡山路6時30分発、上り(東行き、董家口国鉄駅発井岡山路行き)は董家口国鉄駅6時29分発となっている。
また終電は下り(西行き、井岡山路発董家口国鉄駅行き)が井岡山路21時34分発、上り(東行き、董家口国鉄駅発井岡山路行き)は董家口国鉄駅21時34分発となっている。
3. 結び
今回の2018年12月26日青島地下鉄ダイヤ改正では、黄島区で新線となる地下鉄13号線が開業したことに伴い、青島市西部での移動が便利になった。
ただ他の青島地下鉄路線と飛び地になっており、連絡するには実質膠州湾を跨ぐバスに40分揺られないと青島市中心部方面へ向かうことはできない。
今後路線拡大に合わせ、青島地下鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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