西武鉄道は1月25日、プレスリリースにて3月10日にダイヤ改正を行うと公表した( 2018年3月10日(土)ダイヤ改正を実施します )。また東京メトロは1月25日、プレスリリースにて3月10日に有楽町線でダイヤ改正を行うと公表した( 3/10日(土)有楽町線のダイヤを改正します! )。今回はこのうち、西武池袋線系統及び東京メトロ有楽町線について見ていく。
2018年3月17日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!
1. ムーミン効果で「むさし」増発へ!
今回の2018年3月10日西武鉄道ダイヤ改正では、西武池袋線特急レッドアローも増発される。
増発を実施するのは池袋~飯能間の特急「むさし」で、土休日に3往復増発される。増発されるのは下りが池袋10時00分発「むさし65号」飯能行き、池袋15時00分発「むさし67号」飯能行き、池袋16時00分発「むさし69号」飯能行きの3本で、上りが飯能14時35分発「むさし76号」池袋行き、飯能15時35分発「むさし78号」池袋行き、飯能16時35分発「むさし34号」池袋行きの3本となっている。この増発は、飯能市内に北欧のライフスタイルを体験できる施設メッツァビレッジが11月9日に開業し、2019年3月にはムーミンバレーパークを開業することから、需要拡大が見込まれるためであると思われる。下りの昼以降2本は回送運転に有効活用であると思われるが、この増発により池袋8時30分~10時30分発まで及び飯能14時05分~22時05分発まで30分間隔で特急列車を運転されることとなった。
ただこのメッツァビレッジやムーミンバレーパークは、飯能駅から北に3km以上離れており、将来的にJR両毛線あしかがフラワーパーク駅のようにJR八高線に新駅ができる可能性もある。八高線に新駅ができた場合、西武線からの接続は西武拝島線拝島接続または西武池袋線東飯能接続が良く、特急「ちちぶ」の東飯能停車化や特急「むさし」の東飯能延長が将来的に行われる可能性があるものと思われる。
そのほか、特急列車では西武球場前発着の「ドーム」の池袋発時刻を30分繰り上げ所要時間を37分から35分に2分短縮することとなった。
2. 料金不要列車でも見直しへ
また今回の2018年3月10日西武鉄道ダイヤ改正では、西武池袋線系統料金不要列車でも見直しを実施する。
平日は昼間に池袋~狭山線西武球場前直通各駅停車が毎時1本(下り西武球場前行き7本、上り池袋行き6本)設定されていたが、池袋~所沢間に短縮され、狭山線内は西所沢~西武球場前間での線内折り返し運転のみとなった。これにより平日の狭山線と池袋線への直通列車は池袋15時42分発各駅停車西武球場前行きのみとなり、西武球場前からの平日の池袋行き定期列車が消滅することとなった。
一方、土休日は昼間の狭山線からの池袋発着各駅停車は存続する。また、西武球場前14時33分発と15時33分発の池袋行き2本が各駅停車から準急に格上げされる。代替として準急が通過運転を行う石神井公園→池袋間で各駅停車が2本増発される一方、西武球場前始発の準急の後続列車となる飯能14時25分発と15時23分発の急行池袋行きが準急に格下げされることとなった。
3. 「S-TRAIN」平日に増発へ!
今回の2018年3月10日西武鉄道ダイヤ改正では、西武池袋線系統でもダイヤ改正を実施する。
平日は地下鉄有楽町線と直通運転を行う座席指定制列車「S-TRAIN」であるが、これまで下り(所沢行き)は豊洲17時00分発、20時00分発、23時00分発の3本のみの運転で西武40000系10両編成による1運用で運用されていたが、今回のダイヤ改正を前に西武40000系を増備したことから、3運用での運転が可能となり、豊洲18時00分~22時00分発で1時間に1本ずつ、合計5本の運転を行うこととなった。なお所要時間の短縮も行われており、ダイヤ改正前の2017年現在では豊洲→所沢間を58分~1時間1分で運転していたが、ダイヤ改正後は概ね57分での運転となり、最終の豊洲22時00分発「S-TRAIN109号」のみ54分で運転される。この所要時間短縮は2017年現在の時刻表と比較すると、東京メトロ有楽町線内での所要時間短縮の要因が大きいようだ。
なお、今回のダイヤ改正より「S-TRAIN」と料金不要列車の接続が図られ、始発駅豊洲では新木場始発の各駅停車から連絡を受けるようになったほか、終点所沢では最終の「S-TRAIN109号」を除き、快速(ひばりヶ丘より各駅に停車)飯能行きに接続する。また保谷での接続改善を謳っているが、これまでも石神井公園または保谷で、準急(石神井公園以西各駅に停車)または各駅停車小手指行きに連絡しており、こちらに関しては現状を維持することとなった。
なお、平日朝の所沢6時24分発「S-TRAIN102号」豊洲行きや土休日に地下鉄副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線に直通する「S-TRAIN」は据え置かれ、運転時分の変更は行わなかった。
4. 東京メトロ有楽町線で平日早朝・夜に増発
また今回の2018年3月10日東京メトロ有楽町線ダイヤ改正では、西武鉄道ダイヤ改正に合わせて平日夕ラッシュ時に増発される。まず平日早朝に運転されている小竹向原6時07分発新木場行きが和光市始発に延長される。これまで小竹向原で和光市5時54分発副都心線・東急東横線直通各駅停車元町・中華街行きからの接続をとっていたが今回のダイヤ改正で解消され、今回和光市始発に延長された有楽町線新木場行きが5時54分発で設定され、小竹向原で接続が無くなった副都心線各駅停車元町・中華街行きは和光市5時56分発に2分繰り下げられることとなった。
また平日夜では、新木場19時台発が12本から13本に、20時台発が10本から11本に、21時台発が9本から10本に、22時台発が8本から10本に、23時台発が7本から8本に増発された。このうち新木場20時台発と21時台発は小竹向原より西武池袋線直通各駅停車石神井公園行きとして設定されるため、新木場~小竹向原間で6往復、小竹向原~和光市間で4往復増発されることとなった。なお、有楽町線から西武池袋線直通列車が増えたことにより、新木場20時43分発西武池袋線直通各駅停車小手指行きが新木場20時44分発準急小手指行きに格上げされることとなった。
なお、今回の2018年3月10日ダイヤ改正は、西武鉄道と東京メトロ有楽町線で実施されたが、有楽町線と直通する東武東上線や小竹向原以南の副都心線、副都心線と直通する東急東横線や横浜高速鉄道みなとみらい線ではダイヤ改正が実施されなかった。
5. 結び
今回の2018年3月10日西武池袋線・東京メトロ有楽町線ダイヤ改正では、飯能に新しい娯楽施設メッツアが11月9日より順次開業することにより、利便性向上のため特急レッドアロー「むさし」を増発することとなった。
また座席指定制列車「S-TRAIN」は車両増備により平日に増発が実施され、各駅停車の増発と合わせて有楽町線では大きく増発されることとなった。
西武鉄道では2019年3月に特急レッドアロー用に新型車両を導入予定であり、1993年の現在の特急レッドアロー10000系が導入された際には新宿線特急「小江戸」が運転開始し特急網拡大につながった。
今後西武鉄道やその周辺でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
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