のぞみ潰しの山陽ひかりと広島行きひかりレールスター再び! 東海道・山陽・九州新幹線臨時列車運転(2017年12月~2月冬期間)

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JR西日本は10月20日、プレスリリースにて2017年冬の臨時列車を公表した( 冬の臨時列車の運転 )。今回は東海道・山陽・九州の各新幹線の2017年冬の臨時列車運転について見ていく。

1. 「のぞみ」潰しの山陽「ひかり」再び設定

今回の2017年冬の臨時列車運転では、「のぞみ」のスジを潰す「ひかり576号」が年明け2018年1月4日に山陽新幹線で運行される。2017年8月に運行した「のぞみ」を潰した速達型「ひかりレールスター」が運行されたが、今回運転されるのぞみ潰しの「ひかり」も時刻は同一で、新尾道で「こだま760号」が1分早く出発するのも同様だ。ただし、車両が「ひかりレールスター」用700系8両編成から「みずほ」「さくら」用N700系8両編成に変更される。2017年の1月3日と4日には6駅しか通過しない「ひかり」(1月4日は「ひかりレールスター」)が運行され、2017年5月7日には「こだま」として運行されていたが、夏・冬と速達型「ひかり」を新大阪15時14分着で運行していることから、この枠も僅少速達「ひかり」で定着したようだ。




2. 広島行き「ひかりレールスター」再び設定

またもう1つ特筆すべき列車としては先述ののぞみ潰しの「ひかり」の他に博多21時22分発「ひかりレールスター590号」広島行きではないだろうか。この列車は最終の鹿児島中央発「さくら458号」広島行きの前を行く列車で、終電の露払い列車だ。停車駅は、小倉、新下関、新山口、徳山、広島と多く、この時間帯になると最終に近いため「ひかり」を運行しても抜かせる列車はない。このスジに関しては少なくとも2017年は7月16日と9月10日、10月1日、12月17日に運行され今回2017年冬の臨時列車で5回目の運転となるが、7月16日はN700系16両編成、それ以外の日はN700系8両編成(「みずほ」「さくら」編成)で「ひかり590号」として運行実績があるが、「ひかりレールスター」としては2012年3月17日の定期運行を終了して以来の久々の「ひかりレールスター」広島行きの運行となりそうだ。




3. 東海道新幹線は堅調な伸び

夏に続きJR東海の対西政策の要である「のぞみ」を下位種別の「ひかり」に潰され、博多までの運行を不能にさせられているが、今回東海道新幹線も引き続き増発がなされる。JR東海のプレスリリースによれば、東海道新幹線は2017年12月1日〜2018年2月28日の期間中、定期列車と合わせて昨年より443本多い32,699本の列車を運行する(昨年比1%増)。

4. 山陽新幹線は引き続き増発するも競合激化

今回冬の臨時列車運転では、引き続き増発が行われる。2017年3月4日以来運転している多頻度「みずほ」2往復が引き続き毎日運行されるほか、山陽新幹線直通「のぞみ」も昨年より114本多い1,132本運行し、11%増となった。

「みずほ」に関しては定期チャーター便の増加によるものだが、「のぞみ」に関しては東京~岡山・広島の需要増大によるものもある。その需要を少しでも取ろうと全日空(ANA)は10月29日より羽田~広島便を1往復増便し、羽田空港発時刻最終は19時30分発から20時20分発に、広島空港発最終は20時35分発から21時35分発に50分~1時間繰り下げられた。羽田空港発の20時20分化は、東京発広島行き最終新幹線「のぞみ129号」(東京19時50分発、品川19時57分発)とほぼ同等であり、広島から東京への滞在時間延長には寄与しなさそうではあるが、広島駅や広島市街地到着時刻がバス連絡も考慮して1時間ほど早く到着できそうだ。

しかし問題は広島発羽田行き最終便の繰り下げで、現状新幹線の最終が「のぞみ64号」の広島20時01分発、東京23時45分着であり、航空機の広島空港発時刻はバス連絡を考慮するとやや劣っていた。しかし航空機の最終便が1時間繰り下がることにより、東京から広島への滞在時間が15分~30分程度航空機利用の方が拡大する見込みだ。そうなると、現在新幹線対航空機が概ね6:4の東京~広島間の旅客が多少航空機に移るにはやむを得ないものと思われる。

しかし新幹線には定時性の高さと運行本数の多さ、自由席設定による飛び乗りの可能、シートピッチが圧倒的に広いなどの様々なメリットがある。航空機は毎時1本程度しかないが、新幹線であれば定期でも毎時3本、臨時も含めれば毎時5本にもなる。しかも航空機は羽田上空付近の混雑により遅れがちだが、新幹線の平均値円は1分以内だ。航空機は全席指定が基本でキャンセル待ちもあることはあるが、新幹線は「のぞみ」の場合でも自由席が16両中3両は自由席が必ず設定されるので、すぐに乗ることが可能であるし広島から乗車の場合超繁忙期でない限り座れる(1人での利用なら窓側席の利用も可能)。また航空機はシートピッチ(座席間隔)は普通席で約880mm、日本航空(JAL)のクラスJですら980mmであるが、東海道・山陽新幹線は16両編成のN700系の先頭車で1023mm、中間車では指定席はおろか自由席も1040mmだ。つまり新幹線の座席間隔は航空機の普通席どころかビジネスクラスレベルの座席間隔よりもゆったりと広く使えるのである。今回の2017年冬の臨時列車運転で「のぞみ」が増えていることも新幹線の優位性を高めることに繋がり、航空機に負けず劣らず今後も新幹線優位な状況は続くのではないだろうか。

て、のぞみ潰しの「ひかり」や広島行き「ひかりレールスター」を運行する「さくら」「ひかり」については昨年より10本少ない124本の運行となっているが、総じて山陽新幹線臨時列車は昨年より342本多い1,631本となり、27%増となった。北陸新幹線では毎日運転の臨時列車だった新高岡停車の「かがやき」が大幅削減されたが、山陽新幹線では免れたようだ。




5. 九州新幹線は堅調か

JR九州のプレスリリースによると、九州新幹線でも臨時列車が運行される。博多~鹿児島中央間「さくら」については昨年より5本多い62本を運行し9%増、臨時「さくら」全てでは33本増の160本の運行となり26%増、「つばめ」は17本減の16本の運行となり、52%減となった。九州新幹線全体としては254本増の551本の運行となり85%増となっている。増発の中心は新大阪乗り入れ列車が「みずほ」と「さくら」となっており、山陽新幹線との直通需要拡大が波及しているようだ。


6. 結び

今回2017年冬の臨時列車運転では、のぞみ潰しの山陽新幹線「ひかり」が再び設定されたほか、広島行き「ひかりレールスター」の設定など様々な列車を設定した。今後の展開に期待したい。

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