相模鉄道は2020年11月19日、プレスリリースにて2021年3月にダイヤ改正を実施すると公表した( 2021年春のダイヤ改正において終電時刻の繰り上げを実施 )。今回はこれから2021年3月実施予定の相模鉄道及び京急電鉄のダイヤ改正について予測していく。
1. 終電繰り上げ実施も土休日ダイヤと統合へ
今回の2021年3月実施予定の相模鉄道ダイヤ改正では、終電繰り上げを行う。
今回のダイヤ改正では平日の終電をほぼ全線で15~20分程度繰り上げるとしている。ただし2019年11月30日ダイヤ改正で開業したばかりの羽沢横浜国大~西谷間はそもそも終電設定が早かったため終電繰り上げの対象となっていない。
が、内容をよく見ると、下り(海老名・湘南台方面)は平日の終電を2020年現在の土休日の終電に合わせるだけである。このことから横浜からかしわ台・海老名への最終は横浜24時42分発から24時27分発に15分繰り上がるほか、横浜から海老名への最終が横浜24時35分発の急行から横浜24時15分発の急行に20分繰り上がる見込みだ。
なぜこのようにしたかというと、東海道線東京23時54分発普通小田原行き最終改め普通平塚行き最終から連絡するには横浜24時27分発の列車が必要だからである。この東海道線最終は東北新幹線最終「やまびこ70号」東京行きから連絡を受けることから、相鉄の最終を横浜24時27分発より繰り上げてしまうと接続できなくなってしまう。
また上り(横浜方面)でも終電繰り上げを行う。上り列車では平日・土休日ともに終電時刻が同じのため、土休日でも終電繰り上げを実施するのが確実だ。
まず海老名23時55分発普通横浜行き最終を二俣川行きに短縮する。これにより海老名→二俣川間では終電は繰り上がらないが、二俣川→横浜間では17~18分程度終電が繰り上がる。このほか下り終電の減便により送り込みとして運転していた平日運転の海老名23時38分発急行横浜行きは土休日同様各駅停車に格下げするほか、湘南台23時41分発各駅停車横浜行きも土休日同様二俣川行きに短縮するのだろう。
また湘南台24時26分発最終二俣川行きを廃止し、いずみ野線内でも17分終電を繰り上げる見込みだ。
2. 京急も終電繰り上げ実施と減便実施か
また今回の2021年春ダイヤ改正では、京急電鉄でも終電繰り上げを行う見込みだ。
もっとも途中普通車との連絡を行わない泉岳寺24時20分発特急金沢文庫行き最終は廃止になる可能性が高い。
ただ、そもそも2020年時点の土休日の最終は泉岳寺24時04分発普通京急川崎行きで、2021年以降の京浜東北線桜木町行き最終よりも早い。そう考えると土休日の終電繰り上げは考えにくそうだ。
そう考えると、京急の終電も相鉄同様平日の終電を土休日の終電に合わせるだけで、土休日の終電繰り上げはなさそうだ。
これにより平日の終電は品川→金沢文庫間で23分、金沢文庫→京急久里浜・逗子葉山間で29分、京急久里浜→三浦海岸間で18分、堀ノ内→浦賀間で6分終電が繰り上がる見込みだ。
これにより東海道新幹線最終「のぞみ64号」東京行きから新横浜経由での連絡は平日は三浦海岸まで行けたものが土休日同様京急久里浜までしか行けなくなるほか(ただ横須賀線は逗子までしか連絡できなくなるのでそれと比べたら全然影響は小さい)、東北新幹線最終「やまびこ70号」東京行きからの連絡では平日は京急久里浜・逗子葉山まで行けたものが土休日同様金沢文庫までしか行けなくなることとなる見込みだ。
このほか空港線では平日のみ運転の羽田空港24時12分発エアポート急行神奈川新町行き最終(神奈川新町で特急金沢文庫行き最終に連絡)及び羽田空港24時20分発普通京急蒲田行き最終の2本は廃止になる可能性が高いほか、羽田空港23時59分発品川行き最終(平日はエアポート急行、土休日は快特)の見直しも図りそうだ。
また空港線ではそもそも羽田空港発着利用が前年比半減となっていることから、品川方面の快特・エアポート快特で見直しを行う可能性も高そうだ。昼間のうち毎時3本がエアポート急行に格下げするだけで済めば2010年10月28日ダイヤ改正以前に戻るだけなのでまだマシだろうが(それ以前に昼間の品川~京急蒲田間のエアポート急行廃止に伴い4両普通車を毎時3本設定したのに、2020年4月から無期運休となっているのだが…)、それ以上に品川方面の列車を据え置く代わりに昼間の横浜方面エアポート急行を削減する可能性もある。もっとも減便区間が羽田空港~京急川崎間だけで済めば、空港線内から横浜方面利用は京急蒲田で快特に乗り継げばいい話なのでまだマシだが、場合によっては京急川崎~金沢文庫間でも昼間のエアポート急行を削減する可能性がありそうだ。しかもこの横浜方面エアポート急行の昼間毎時3本運転は過去に2011年の節電ダイヤ時にも行っていたもので、実際に行っていたことまである。そう考えると京急電鉄では空港線や本線で昼間の減便が考えられそうだ。
ただ京急御用達の横須賀市の人口は徐々に減っており40万人を切ったほか、神奈川県内では藤沢市に抜かれ第5位にまで落ちてしまった。しかもこのご時世で利用が減っていることから、横須賀線に圧勝していて減便しても影響が小さい金沢文庫以南の本線・久里浜線での減便を検討してもいいのではないだろうか。
一番手っ取り早いのは京急久里浜始発の特急の一部を逗子葉山始発に変更することで横須賀線と競合する逗子~横浜・品川間での競合力を高めることができる。ただあくまでこれはその場しのぎ的であって、根本解決にはならない。
抜本的に変えたいのであれば金沢文庫以南の特急通過駅4駅を6両対応から8両対応に延ばし特急を金沢文庫以南各駅に停車させれば、金沢八景~堀ノ内間で毎時12本を超える運転を行っている平日朝夕ラッシュ時の普通車を久里浜発着から浦賀発着に変えた特急に置き換えることができ、その分普通車を減便できる。なお土休日朝夕など金沢八景~堀ノ内間で毎時12本以内の運転時間帯は浦賀発着と久里浜線直通を振り分けなくてはならないため特急の快特への格上げによる所要時間短縮くらいしかできないほか、平日朝の特急金沢文庫行きからの快特(旧通勤快特)も全区間快特格上げくらいだろう(利用の多い追浜は平日朝ラッシュ時に限り追加停車してもいいかもしれないがそれはさておき)。ただ一番車両を使う平日朝夕ラッシュ時の普通車の減便を行うことで6両編成5運用を削減することができる。
ちなみに一番最近高架化した大森町や梅屋敷は6両分しかホームを用意していない。このことから普通車の8両化は行わない見込みだ。
3. 結び
今回の2021年3月実施予定の京急電鉄及び相模鉄道ダイヤ改正では、終電の繰り上げを行う見込みだ。
ただ終電繰り上げを行うのは主に平日のみで、土休日の終電は概ね据え置く見込みのようだ。
今後京急電鉄や相模鉄道でどのようンダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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