北海道新幹線アクセス列車 「はこだてライナー」ダイヤ予測(2016年3月26日予定)

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JR北海道では2016年3月12日にダイヤ改正を行う予定だと思われます(詳細につきましては2015年12月18日公表予定のJR北海道プレスリリースをご覧ください)。当サイトでは公表1カ月前に北海道新幹線とアクセス列車について予測していく。
現在公表されている運行本数は以下の通り( http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150916-3.pdf )。
北海道新幹線
はやぶさ 東京~新函館北斗 1日10往復(その他に臨時最大4往復の予定)
はやぶさ 仙台~新函館北斗 1日1往復
はやて 盛岡~新函館北斗 1日1往復
はやて 新青森~新函館北斗 1日1往復
特急「スーパー北斗」「北斗」 1日12往復
アクセス列車「はこだてライナー」 1日16往復

北海道新幹線についてはこちら、特急「スーパー北斗」「北斗」についてはこちらで触れているのでご参考にしていただきたい。

今回はこのうち「はこだてライナー」について触れていく。

1. これまでの新幹線アクセス鉄道は?

新幹線の駅は線形や土地の関係で必ずしも既存のJR駅や市の中心部の駅に出来るわけではない。ここでは広島駅(中心部は紙屋町)や博多駅(中心部は天神)などの、遠距離輸送において新幹線開業前から既にその地位を固めていた駅については除外して考える。

まず1番古くに出来たのは1964年開業の東海道新幹線新横浜駅と新大阪駅である。新大阪は大阪まで東海道線1駅であるし、御堂筋線でミナミに行くのも比較的容易たが、新横浜は当時単線の横浜線しかなく、横浜駅まで7.9km、桜木町駅まで9.9kmであった。ただ沿線需要も多くデータイムも平日夕ラッシュ時も毎時9本確保されているほか、市営地下鉄でより横浜市中心部に向かえるようになった。大都市では都心部へ向かう交通機関が発達しているものと思われる。

では政令指定都市以外ではどうなるだろうか。おそらくもっとも古い例では1975年開業の山陽新幹線小郡駅(現新山口駅)ではなかろうか。こちらは山口駅まで12.7km離れており、単線でディーゼルカーがおおむね毎時2本程度運行されている。快速列車は夕方にしか設けられておらず、新山口始発の快速は山口線を全線走破し益田まで至る(但し通過駅があるのは山口駅までの区間の連続する3駅のみである)。同県には山口市より大きい都市として下関市があり、こちらも同様に新下関駅があるが、下関駅から新幹線を利用する多くの方は「のぞみ」の停まる小倉駅を目指すそうなので、今回の趣旨と少し外れることから割愛させていただく。

そしてもう1つが2010年開業の東北新幹線新青森駅である。こちらは青森駅まで3.9kmしか離れていないが、奥羽本線が市の中心部である隣駅の青森駅までのアクセス輸送を行っている。こちらは単線ではあるが電化されており、特急「スーパー白鳥」「白鳥」が青森駅まで自由席であれば乗車券のみで利用できることもあり、おおむね毎時2本程度が用意されている。ただしこちらは新青森~青森間のピストン輸送列車は朝夕に上下合わせて7本(青い森鉄道線直通を含む)しかなく、今回のような16往復のような大規模運転とは程遠い。また、2016年3月26日以降は特急「スーパー白鳥」「白鳥」が廃止されることから、これらの代替措置としてどの程度のアクセス列車が代替されるかは今回のダイヤ改正の見どころの一つではないかと思われる。

そして2016年に開業するのが北海道新幹線新函館北斗駅。なんと函館駅まで17.9kmあり、他に例の見ない距離がある。また山口線は単線非電化、奥羽本線はアクセス輸送に特急も混じっているなど、必ずしも全く同じ条件のものはないが、今回は既存の新幹線アクセス列車からできる限りダイヤ予測をしていく。




2. 「はこだてライナー」は快速か各停か

まず北海道新幹線についての情報が掲載されている商工会議所が作成したサイト(http://www.shinkansen-hakodate.com/archives/3951)を見てみると、新函館北斗~函館間は快速で17分、各停で20分かかる見込みである。17.9kmもあるとこれだけの時間がかかるものと思われるが、快速でもこの所要時間だとやはり利便性に欠ける(それをできるだけ防ぐために快速運転しているものだと思われるが)。だが、全列車が快速運転となるとは言い難い。なぜなら、この区間にもこの区間独自の地域輸送が存在するからである。

函館~渡島大野間は現状ではキハ40系気動車のみで運行され、ラッシュ時には3両での運行もあるが昼間は原則1両編成で運行されている。「はこだてライナー」は733系3両編成で運行され、現状からすれば確実に供給超過となることが目に見える。新幹線利用者も1列車当たり平均192人(5000人の需要想定を定期運行本数26本で割ったもの)とされ、座席定員148人よりかはあふれるものの編成定員441人と比べれば明らかに少ないし、そもそも北海道新幹線利用客が全て電車で函館に向かう訳でもないので、3両もあれば通常期は十分であると思われる(新青森~青森間も普通列車は2両編成が主である)。混雑期には6両に増結されるらしいが、6両での運行はJR北海道の普通列車では快速「エアポート」や朝夕ラッシュ時に限られ、はこだてライナーが昼間で6両も必要なのか疑問に残る。むしろ、北海道新幹線臨時列車運行時に増発すれば済む話なのではないだろうか?




3. 「はこだてライナー」の運行本数と快速停車駅は?

それでは「はこだてライナー」の一部が快速運転するという前提で運行本数と停車駅を考える。ここで考える上で、七飯~函館間を結ぶ普通列車は全区間で「はこだてライナー」の運行区間と重複するため、必要に応じて電車に置き換えるものとする。

まずは朝。新函館北斗行きは北海道新幹線と接続するため、その時刻に合わせて運行するものと思われる。北海道新幹線初電は遅くとも午前6時30分には出発すると思われるため、そこで「はこだてライナー」が1本必要になる。ただ、北海道新幹線下り初電の新函館北斗到着は午前8時頃になると思われ、その間に東京行きが少なくとも1本運行されるはずだから、先ほどの列車は1度函館に折り返すか、別運用を設けなければならない。ただ、北海道新幹線「はやて」は新青森発着または盛岡発着であり、東京発着と比べて利用者数が少ないのは明らかである。この接続のための「はこだてライナー」は函館都市圏のラッシュとも重なるので各駅に停車させて、可能な限り利用者を増やして気動車を置き換えるのがいいだろう。

では快速「はこだてライナー」はいつ運行されるのか。北海道新幹線の東京最速所要時間は4時間2分で、これは東京~新青森間で2時間59分運転を行わないと間に合わない。この時刻で運行される列車は現行のダイヤだと下りは12時22分着または13時38分着、上りは17時21分発になるものと思われる。となるとこれに接続する「はこだてライナー」は速達性重視の快速運転となるのではなかろうか?

それでは夕方。東京行き最終「はやぶさ」は18時30分頃に発車するものと思われる。その新幹線に接続する「はこだてライナー」は函館を18時頃に出発しなければならない。この時間帯は函館都市圏のラッシュ時間帯であるから、現状でもキハ40系が3両編成で運行されている。となるとこの時間帯は新幹線アクセス用に乗客を分けるための快速運転か、6両での各駅停車での運行になるかと思われる。これ以降は仙台行き「はやぶさ」、盛岡行き「はやて」、新青森行き「はやて」の3本しかなく、東京行きと比べて利用者は少ないであろうから3両の各駅停車で運行されるものと思われる。

それでは快速停車駅はどうなるのか。ここで快速は「速達性」と「ラッシュ分散」として用いてきた。つまり快速の停車駅は必要最小限になると思われ、途中駅は現時点で昼行列車全停車となっている五稜郭以外は途中駅は通過になると思われる。しかしこれでは七飯町の反発は必須で、前述のとおり現状ではあまり利用は少ないと思われることから、ほとんどが各駅停車として運行され、数往復のみ快速運転をするのではなかろうか?

4. 函館本線運行本数見直しの意味

JR北海道では普通列車の運行本数見直しを同日に行う予定であるが、その中に「はこだてライナー」の運転区間である函館~渡島大野間も含まれている。普通に考えれば「はこだてライナー」が増発されるはずなのでここで見直すのかと疑問に思うところだが、この意図には次のことがあると思われる。それは、電化区間と非電化区間で運行系統を分割しないということではなかろうか?七飯発着に関しては「はこだてライナー」の各駅停車に任せればよいが、大沼はこれでは拾いきれない。つまり見直し対象以外の列車は変更はほとんど行わないということではなかろうか?


5. 結び

北海道新幹線は年間48億円の赤字が見込まれている。新幹線に関しては札幌延伸時に収益性がある程度改善されるものと思われるが、「はこだてライナー」はアクセス列車としてずっと運行し続けるものと思われる。今後第三セクター化される動きもあるようだが、地域輸送と新幹線アクセスを両立した列車として今後とも運行してほしいと思う。

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