JR東日本は2020年5月13日、プレスリリースにて5月28日より臨時ダイヤでの運転を行うと公表した( 発売見合わせ中の新幹線および在来線特急等の運転計画・指定席発売について )。今回はこのうち上越・北陸新幹線について見ていく。
1. 「とき」停車駅増加と上野行き「たにがわ」消滅へ
今回の2020年5月以降当分の間実施する上越新幹線臨時ダイヤ運転では、利用の大幅な落ち込みにより減便を図る。
前回の2020年3月14日上越新幹線ダイヤ改正では、平日に限り高崎7時17分発「たにがわ474号」上野行きを増発し上野行き定期列車が復活したが、今回の臨時ダイヤ運転では運休することとなった。
このほか「とき」や「たにがわ」、北陸新幹線「あさま」などの減便により、一部の「とき」で停車駅増加を行っている。ただそもそも「とき」の一部は各駅停車で運転しているほか、昼間は熊谷と本庄早稲田しか通過しない「とき」の運転が多いので、そこまで所要時間に影響はない。
2. 「かがやき」全滅と「はくたか」ついに各駅停車へ
今回の2020年5月以降当分の間実施する北陸新幹線臨時ダイヤ運転では、利用の大幅な落ち込みにより減便を図る。
今回の臨時ダイヤ運転では、北陸新幹線で「かがやき」が全滅する。
北陸新幹線では東京~金沢間の初列車・終列車は全て「かがやき」で運転している。つまり、「かがやき」の全滅は初終列車の変更を伴うことを意味する。
これによりこれらの初終列車となる「はくたか」はそもそも通常ダイヤの時点で軽井沢~金沢間で各駅に停まる停車駅の多い「はくたか」なので、これらの列車の停車駅増加や所要時間延長は行わない。ただこの「かがやき」の削減により初列車は概ね50分程度繰り下がり、終列車は概ね50分程度繰り下がることとなる。
また昼間は東京~長野間運転の「あさま」と長野~金沢間の「はくたか」を統合したため、「はくたか」の通過駅が0~2駅しかなくなり、一部では史上初の全駅に停車する「はくたか」まで誕生してしまった。これにより昼間は東京~金沢間は3時間16分~3時間28分もかかる。まぁ、北越急行経由時代は越後湯沢乗り換えで4時間かかっていたことを考えればそれよりかは速いが、少なくとも東京から福井に行くには使い物にならない。
というか、安中榛名だけ通過の「はくたか」や飯山だけ通過の「はくたか」もあるが、昼間の「はくたか」は各駅停車も含め全て所要時間が同じである。これはどちらかの駅を通過しても長野で時間調整を行うためであり、結果所要時間が変わらなくなってしまっている。通過させるならその分所要時間を詰めればよいものを…
このほか朝夕は「あさま」を平常運転するのだが、おかげさまで長野から東京へ向かう6時台発の列車は平常ダイヤと同じ3本確保しており、仙台6時台発の1本よりはるかに多い。2019年10月の北陸新幹線臨時ダイヤ運転では高崎始発に短縮できたんだから今回の臨時ダイヤ運転でできないはずはないのに。
これらの減便により、「はくたか」の運転本数こそ維持したものの「かがやき」は全滅したため東京~金沢間運転の列車が24往復から14往復に削減したほか、東京~長野間の「あさま」は17往復から7往復に削減した。
ただ、この臨時ダイヤが幻に終わる可能性が出てきた。当初の予定は2020年5月21日より臨時ダイヤの指定席券を発売開始するはずだったが、延期したのだ。もし2020年5月28日までに埼玉県のみならず東京都の緊急事態宣言が解除になった場合にはこの臨時ダイヤを組まない可能性がある。
東北新幹線に関してはやや減便しすぎている時間帯もあるのである程度増やした方がいいかもしれないが、そもそも運転本数が少ない上越新幹線や北陸新幹線は多少利用が増えても捌ききれる可能性が高い。京阪神3府県の緊急事態解除によっては湖西線特急「サンダーバード」の復便に伴う金沢連絡の北陸新幹線「つるぎ」の復便は考えられるが、上越新幹線・北陸新幹線の臨時ダイヤは維持する可能性はありそうだ。
3. 結び
今回の2020年5月以降当分の間実施する上越・北陸新幹線臨時ダイヤ運転では、利用の大幅な落ち込みにより減便を行うこととなった。
今後どのように上越・北陸新幹線のダイヤが戻っていくのか、見守ってゆきたい。
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