西武鉄道は2020年1月29日、プレスリリースにて3月14日にダイヤ改正を行うと公表した( 2020年3月14日(土)ダイヤ改正を実施します )。今回はこのうち西武新宿線について見ていく。
1. 新宿線で快速急行復活へ
今回の2020年3月14日西武鉄道ダイヤ改正では、2019年3月16日西武新宿線ダイヤ改正以来約1年ぶりにダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では、西武新宿線に快速急行が復活した。
かつて快速急行を運転していた頃は川越号という愛称があったが、2019年3月16日ダイヤ改正で東武東上線川越特急に取られたことが悔しかったらしい。
停車駅は2012年6月30日ダイヤ改正で廃止する前と同じく、高田馬場~田無間はノンストップで運転し、東村山と所沢に停車したのち新所沢~本川越間は各駅に停車する。所要時間は西武新宿→本川越間で49分~51分となっており、同時間帯に運転する急行の1時間01分より10分程度早い。
運転するのは土休日のみで、西武新宿9時33分発快速急行本川越行き及び西武新宿10時21分発快速急行本川越行きの2本のみとなっている。田無で急行本川越行きに連絡するため通過駅の救済も行っている。
この快速急行の設定により、西武新宿8時56分発各駅停車本川越行きが各駅停車新所沢行きに、西武新宿10時09分発急行本川越行きを西武新宿10時10分発急行新所沢行きに短縮して終点新所沢で快速急行本川越行きに連絡させることとしたほか、西武新宿9時11分発急行拝島行きを廃止し西武新宿8時49分発各駅停車本川越行きを拝島行きに変更し、廃止した急行の直前を走る西武新宿9時10分発急行本川越行きから小平で連絡させることとなった。
なお快速急行は西武新宿発本川越行き下り列車のみの運転で、上り列車の運転はない。
とはいえ、東武東上線川越特急が池袋~川越間を最速26分で運転し、終日に渡り急行を使えば31~33分で行けることを考えると、わざわざ50分かけて西武新宿線を利用して川越に行こうとは思わない。なんだか西武新宿線の快速急行復活がただの宣伝目的に見えるのは気のせいだろうか?
2. 新宿線で土休日夜間に減便へ
今回の2020年3月14日西武新宿線ダイヤ改正では、土休日夜間に減便を図る。
減便するのはいずれも土休日の西武新宿19時台発の急行1本と20時台発の各駅停車2本で、このほかに「拝島ライナー」の直前の急行を準急に格下げする。
ただ、西武新宿線では2012年6月30日ダイヤ改正で昼間の大幅減便を図った際に土休日夕ラッシュ時のみ急行毎時8本・各駅停車毎時8本の運転本数を維持した。そのうちオフピークに減便したと考えると、少なくとも昼間の急行毎時6本と各駅停車毎時6本と同程度以上の利便性は確保できているようだ。
なお今回のダイヤ改正では「拝島ライナー」の特急格上げや平日朝の運転を含む増発はなかった。
このほか多摩湖線では昼間の国分寺発着列車の西武遊園地直通列車を増やした代わりに、国分寺~萩山間で15分間隔から20分間隔に伸び、輸送力が25.0%減少した。西武ドームでの野球開催時等の臨時増発はしやすくなったのかもしれないが、2015年3月14日ダイヤ改正でJR東日本川越線川越~高麗川間で減便して八高線八王子方面との直通列車を増やしたように見えるのは気のせいだろうか…
3. 結び
今回の2020年3月14日西武新宿線ダイヤ改正では、快速急行の復活により速達性を向上した一方、土休日夜間の見直しなど減便も図っている。
今後西武新宿線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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