東武鉄道は2020年2月25日、プレスリリースにて6月6日に本線系統(野田線含む)でダイヤ改正を行うと公表した( 2020年6月6日 (土) ダイヤ改正を実施! )。また野岩鉄道は2020年2月25日、プレスリリースにて6月6日にダイヤ改正を行うと公表した( 2020年6月6日 (土) ダイヤ改正を実施! )。さらに東武鉄道は2020年5月11日、プレスリリースにて6月6日に本線系統でダイヤ改正を行うと公表した( 2020年 6月 6日 (土) ダイヤ改正を実施! 東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線・鬼怒川線など )。今回はこのうち東武日光線系統について見ていく。
1. 「しもつけ」廃止で完全ワンマン化へ
今回の2020年6月6日東武鉄道ダイヤ改正では、2019年3月16日ダイヤ改正以来約1年2か月半ぶりに東武日光線でダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では宇都宮線特急「しもつけ」を廃止することとなった。
代替として浅草18時19分発特急「リバティけごん239号」新栃木行きを設定する。がこの特急「リバティけごん239号」新栃木行きの停車駅が奇抜で、杉戸高野台に停車する。杉戸高野台には一部の日光線特急が停車しているので不思議ではないと言われればそれまでだが、なんだか東武動物公園通過の代替としている感は否めない。なお上り(浅草方面)の代替列車の設定は行わない。
これにより宇都宮線では特急運転を廃止し、全てワンマン普通電車のみの運転となる。
ただ不可解なのは、土休日運転の特急「ゆのさと」は残る。不可解な理由は2つある。
1つはどうせ特急「きりふり」用に350型を残すのであれば特急「しもつけ」を残しても良かったのではないかということ。ただ毎日運用から週2往復のみの運用に減ることで点検時の代走リスクが減るので、350型2本中1本は削減できそうだ。
またもう1つは地下鉄日比谷線直通の「THライナー」が東武線内相当額の最低料金が370円にも関わらず、初乗り料金320円の特急「きりふり」を残すのはいかがなものかということ。ただこちらも特急スペーシア料金の午後割・夜割と同等と思えば他にも安い料金で運転している特急「けごん」「きぬ」もあるし、この割引料金時間帯に同方向に運転する「THライナー」はない。このため土休日に1往復であれば350型の運行を残しても良いという発想になったのだろう。
ちなみに宇都宮線特急「しもつけ」は2020年4月25日より運休している。東武鉄道ではダイヤ改正実施の2020年6月6日には特急列車の運転を再開するとしているが、特急「しもつけ」は同日限りで廃止となる。つまり実は2020年4月24日の運転を以て宇都宮線特急「しもつけ」の運転はすでに終了していたということになる。
このほか新栃木5時44分発日光線特急「けごん206号」浅草行き特急の一番列車が新栃木5時38分発に繰り上がり、北千住到着も4分繰り上がった。
2. 「リバティ会津」停車駅削減へ
今回の2020年6月6日東武日光線ダイヤ改正では、日光線特急「リバティ会津」の停車駅を削減する。
これまで特急「リバティ会津」は鬼怒川線内と会津鬼怒川線内(下今市~会津高原尾瀬口間)は原則各駅に停車していたが(例外は営業時間外の東武ワールドスクウェアと乗車人員1人の男鹿高原のみ)、今回のダイヤ改正より一部で通過駅を拡大する。
ただ、停車駅を減らしたにもかかわらず所要時間が延びている列車もある。
なお男鹿高原は普通列車の減便と合わせて4時間列車が来ない時間帯ができてしまった。
ついでに、特急「きぬ」のうち1本が新高徳に停車するようになる。2017年4月21日ダイヤ改正まで全便新高徳に停車していたので、戻っただけではあるのだが。
このほか浅草20時00分発特急「リバティけごん47号」東武日光行きを廃止し、「けごん」と「りょうもう」の併結運転を取りやめる。この代替として浅草19時49分発特急「けごん45号」東武日光行きを設定する。
また日光線特急では浅草21時30分発平日の特急「アーバンパークライナー71号」大宮・柏行き及び土休日の特急「スカイツリーライナー9号」春日部行きを変更し、浅草21時19分発特急「リバティけごん249号」新栃木行きに変更する。
さらに東武日光19時08分発特急「リバティけごん48号」浅草行きを東武日光行きを東武日光17時43分発特急「リバティけごん」浅草行きに大幅に繰り上げた。どうやら先述の特急「しもつけ」廃止に伴い浅草18時19分発特急「リバティけごん239号」新栃木行きを設定するのに伴い、浅草19時59分発伊勢崎線特急「リバティりょうもう」の車両運用がままなくなくなるため、致し方なく特急「リバティ会津」と連結せずに浅草に戻すこととしたようだ。
これにより会津田島17時53分発特急「リバティ会津148号」浅草行き改め会津田島17時49分発特急「リバティ会津150号」浅草行きは下今市で特急「リバティけごん」との連結を取りやめたことから、特急「リバティ会津」の一部が3両のまま浅草に乗り入れることとなった。
3. ワンマン運転区間拡大で直通運転へ!
また今回の2020年6月6日東武日光線ダイヤ改正では、20400系列の投入拡大によりワンマン運転を拡大する。
20400系列は2018年9月3日に宇都宮線で運転を開始し2019年5月には宇都宮線の8000系をすべて置き換えた。しかしその後も転属改造による投入が続き、ついに日光線南栗橋~新栃木間の10000系列を追い出し、南栗橋~東武宇都宮間で終日に渡り直通運転を行うこととなった。宇都宮線も日光線南栗橋~新栃木間も昼間は毎時2本(約30分間隔)、夕ラッシュ時は毎時3本(約20分間隔)なので合わせやすかったのだろう。
これにより現在日光線南栗橋~新栃木間では7運用、宇都宮線栃木~東武宇都宮間では6運用あったが、今回の直通運転開始に伴い栃木や新栃木での折返し時間を減らすことができることから合計12運用に減少し、1運用削減できる見込みだ。
日光線南栗橋~新栃木間のワンマン化は車両改造の状況からやろうと思えば2020年3月14日ダイヤ改正から出来たはずなのだが、あえて行わなかったのは特急「けごん」「しもつけ」などとの調整を付けるのが面倒だったからと言うのもあるのだろう。
これにより今回のダイヤ改正では日光線南栗橋~新栃木間では10000系列の運転を取りやめたほか、伊勢崎線館林~太田間でも10000系列の運転を取りやめたことから、栃木県内から10000系列による少なくともツーマン運転が完全廃止することとなった。
なお20400系列によるワンマン運転では、従来の8000系のワンマン運転と異なりドア開閉の際に運転席から立って後方確認をする必要がなくなる。
これにより従来のワンマン運転と比べ所要時間が延びなくなったかと言われると、そうでもない。
初電は新栃木5時00分発普通南栗橋行きから新栃木4時58分発普通南栗橋行きに2分繰り上がった。ただ南栗橋到着は1分しか繰り上がっていないほか、南栗橋で連絡する列車も変わっていない。
また昼間は単線区間の宇都宮線の列車交換と新大平下での特急待避に挟まれたのか、南栗橋~栃木間で所要時間が5分も延びている。
そう考えるとワンマン運転機器が8000系より拡充してるとはいえ、20400系列であってもワンマン化により所要時間が延びるのは変わらないようだ。
なお今回のダイヤ改正でほぼ終日に渡り南栗橋~東武宇都宮間で直通運転を行うこととなったことから、昼間に2時間に1本程度設定していた6050系による南栗橋~東武日光間直通普通電車がほとんどなくなり、新栃木~東武日光間の運転に短縮することとなった。
なお今回のダイヤ改正では6050系の南栗橋乗り入れは大幅に減り1日当たりの列車走行距離は減ったが、朝夕はほぼ従来通り維持しているため運用数に変化はない。
このほか、南栗橋10時47分発急行東武日光行きを南栗橋10時54分発区間急行東武日光行きに格下げするほか、東武日光16時28分発区間急行南栗橋行きを東武日光16時27分発急行南栗橋行きに格上げする。これにより定期列車として日光線内に下り区間急行及び上り急行を運転することとなった。
またこれに伴い普通電車でも最大20分程度時刻を変更するが、列車本数の増減はない。
このほか南栗橋~新栃木間で運転する普通電車が春日部所属の10000系列から新栃木所属の20400系列に変更することから、春日部~南栗橋間で出入庫させる必要がなくなった。これにより南栗橋8時44分発普通東武動物公園行きと南栗橋10時03分発普通東武動物公園行きの2本を廃止する。代替として東武動物公園9時03分発地下鉄日比谷線直通普通中目黒行きを南栗橋8時51分発に延長するほか、久喜10時03分発地下鉄半蔵門線直通急行長津田行きを南栗橋10時02分発急行長津田行きに変更することにより対応する。
これらの運用繰りのため、朝の浅草始発区間急行南栗橋行きを減らし地下鉄日比谷線からの普通東武動物公園行きや普通北春日部行きの南栗橋行きへの延長で減便しないように調整している。
このほか、鬼怒川線から新栃木方面に直通する列車が減り、新栃木~東武日光間運転の列車が増えている。20400系列が当初の改造計画であと8本投入できることを考えると、近い将来新栃木~東武日光間でも20400系列を投入し、ワンマン運転を開始しそうだ。
あとは、日光線や宇都宮線で平日朝夕に必要な本数を土休日に必要とは思えない。日光線は急行や区間急行で補えるので、土休日は普通電車は終日30分間隔に減便しても回るはずだ。20400系列の車両寿命を延ばし置き換えを遅くするためにも、土休日の減便を図っても良いのではないだろうか。
4. 結び
今回の2020年6月6日東武鉄道ダイヤ改正では、宇都宮線特急「しもつけ」の廃止や鬼怒川線特急「リバティ会津」の停車駅削減を図る。
また普通電車でもワンマン運転の拡大に伴い合理化を行う。
今後東武鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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