東武鉄道は2019年5月13日、プレスリリースにて2019年度事業計画を公表した( 2019年度の鉄軌道事業設備投資計画 )。今回はこれから、東急電鉄の2020年3月ダイヤ改正について予測していく。
1. 平日朝ラッシュ時の速達列車増発へ
今回の2020年3月東急電鉄ダイヤ改正では、東横線で通勤特急や急行が平日朝ラッシュ時を中心に増発する見込みだ。
東急電鉄では東横線向けに、5050系4000番台を2両新規製造したほか、大井町線Qシート車に置き換えられた6000系2両が余っており5050系4000番台に改造される見込みだ。
そう考えると、5050系のうち少なくとも2本が8両から10両に増結されると見ていいだろう。
現在平日朝ラッシュ時は10両編成の通勤特急毎時4本、10両編成の急行が毎時4本、8両編成の各駅停車が毎時16本(うち菊名始発毎時4本)となっているが、8両編成が10両編成になれば各駅停車から急行以上に格上げしなくてはならない。
もし8両編成のうち4本が10両編成に増結すれるのであれば、急行以上毎時12本と各駅停車毎時12本となり、本数比1:1のわかりやすいダイヤができる。
ただ、もし2本のみしか8両から10両に増結しないのであれば、急行以上は毎時10本しか確保できない。
もし急行以上が毎時10本までしか増結できないとすると、残る毎時14本は各駅停車で設定することになる。そうなると自由が丘基準で12分30秒サイクルで
通勤特急→各駅停車→急行→各駅停車→各駅停車→(最初の通勤特急に戻る)
のサイクルダイヤを組むことができる。
また急行以上の増発により祐天寺で通勤特急や急行が各駅停車を抜かす時間帯が拡大する可能性がある。祐天寺で各駅停車を抜かすと、通勤特急の所要時間が2分程度短縮する反面、各駅停車が渋谷先着ではなくなるため通勤特急や急行に混雑が集中しやすくなる。通勤特急が毎時4本、急行を足しても毎時8本しか運転のない平日朝ラッシュ時で祐天寺で各駅停車を抜かすと、急行以上の混雑率が200%を超えかねないが、もし15分サイクルから12分30秒サイクルダイヤに再編されれば、急行以上の輸送力が20.0%増加することになることから、通勤特急が祐天寺で各駅停車を抜かしてもなんとか輸送できる可能性がある(ただし現状より混雑が悪化する可能性は大いにある)。
東急電鉄は急行以上が毎時10本の運転であれば、2019年11月30日ダイヤ改正における相鉄JR直通線開業後の平日朝ラッシュ時の武蔵小杉から渋谷へのJRの運転本数毎時10本と同数になる。武蔵小杉の遠さで優位に立てると踏んでいるのだろうが、湘南新宿ライン・相鉄JR直通線渋谷駅は2020年にホームを移設して中央改札まですぐにアクセスできるようになるので(どうやらハチ公口へは中央改札のコンコースを経由しなくてはならなくなりそうではあるが)、地下5階に移設してしまった東横線は不利になりかねない。平日朝ラッシュ時は急行以上を毎時12本設定してもいいような気はするが…
2. 昼間や平日夕ラッシュ時の増発はあるのだろうか
また今回の2020年3月東急電鉄ダイヤ改正では、東横線で昼間や平日夕ラッシュ時の増発はあるのだろうか。
今回のダイヤ改正に向けて先述したように5050系2本が8両から10両に延びるとすると、平日夕ラッシュ時のほぼすべての急行の8両から10両への増結が図ることができるほか、昼間の急行毎時2本分を10両に延ばすことが可能となりそうだ。
そう考えると、平日夜間は増結によりオフピークなど時間帯によって通勤特急から各駅停車までの中で一部が減便する可能性はあるのだが、原則通勤特急毎時4本、急行毎時4本、各駅停車毎時12本には変わりないものと思われる。
しかし昼間は東横特急こそ10両編成で運転しているものの、8両でもそこまで混雑していない(特に平日)。土休日となれば午後は8両だとやや混んでいる感は否めないが、果たして昼間の急行を全て8両から10両にする必要があるのかと言われると怪しい。そう考えると、昼間に急行の10両化を図り急行の減便を行う可能性は否定できない。
もちろん2020年3月ダイヤ改正で実施するかと言われると限りなく可能性は低いのだが、2023年3月の東急新横浜線開業に伴い昼間の東横線急行のうち毎時2本を新横浜発着に振り替え渋谷~横浜間の先着列車を毎時8本から毎時6本に減らす可能性はある。
このほかにも目黒線では微増を図る可能性がある。本格的なダイヤ改正は2023年3月の東急新横浜線直通開始後となりそうだ。
あとは、2020年7月の東京オリンピック開催までに車内案内表示装置のついていない田園都市線8500系の全面淘汰をしないのだろうか。地下鉄と直通しない相鉄ですら2019年11月30日の相鉄JR直通線開業を目前にして7000系を全廃車して全列車が車内案内表示装置搭載車にしたというのに、未だに車掌の肉声マイクでしか案内できない東急8500系が世界に広く見られる東京オリンピック開催期間中に地下鉄に乗り入れて東京のど真ん中に乗り入れることは日本国の恥と言っても過言ではない。ソウルや北京は東急8500系製造前から地下鉄を運転しているが、開業当初の車両は置き換えるなり改造して全列車車内案内表示装置を搭載している。関連企業の東急バスは今でもほかの東京都内を走るバス会社の中で一番車両の入れ替わりが激しく、100台以上保有している一般路線バス会社の中で一番平均経年数が低いんだ、金がないなんて言わせない。つまり東急電鉄はソウルや北京の地下鉄にも劣り、日本国内でも相鉄に劣るコンプライアンスの低い企業なのだ。東急、お前はそれでも大手私鉄なのか?
3. 結び
今回の2020年3月東急電鉄ダイヤ改正では、5050系の増結に伴い10両編成の列車が増加し8両運転の急行の増結や急行以上で増発を図る可能性がある。
また目黒線では多少増発する可能性があるが、東横線では一部に減便する可能性が捨てきれない。
今後東急電鉄でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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