東急電鉄は2020年2月13日、プレスリリースにて3月14日に目黒線でダイヤ改正を行うと公表した( 3月14日(土)、東横線、目黒線でダイヤ改正を実施 )。また東京メトロは2020年2月13日、プレスリリースにて3月14日に地下鉄南北線でダイヤ改正を行うと公表した( 2020年3月14日(土)南北線のダイヤを改正します )。さらに埼玉高速鉄道は2020年2月13日、プレスリリースにて3月14日にダイヤ改正を行うと公表した( 令和2年3月14日(土)に ダイヤ改正を実施します。 )。そしては2020年2月14日、プレスリリースにて3月14日にダイヤ改正を行うと公表した( 都営三田線のダイヤ改正を実施します )。今回はこれらについて見ていく。
1. 東横線で早朝に増発へ
今回の2020年3月14日東急電鉄ダイヤ改正では、2019年3月16日東急電鉄ダイヤ改正以来約1年ぶりに東横線でダイヤ改正を行う。
増発するのは元町中華街6時15分発東横特急渋谷行きで、終点渋谷で元町中華街6時00分発各駅停車和光市行きに連絡する。
なおこれに伴う下り(横浜・元町中華街方面)の増発はないが、おそらくこの増発した東横特急は渋谷到着後日吉まで回送し、日吉7時22分発急行元町中華街行きとして運用するのではないだろうか。
なお今回増発した東横特急は2019年7月22日~7月31日の平日早朝に運転した臨時東横特急を1分程度時刻変更したものであり、この時の臨時列車運転と比べ所要時間を2分短縮している。
ところで2019年11月30日JR東日本ダイヤ改正では相鉄JR直通線が開業したことにより武蔵小杉→渋谷・新宿間の平日朝ラッシュ時の運転本数が湘南新宿ラインのみの毎時6本から相鉄JR直通線も合わせた毎時10本に大増発したが、東急電鉄では今回のダイヤ改正でオフピークこそ増発を行ったものの、平日朝ラッシュのピーク時には通勤特急や急行の増発や各駅停車からの格上げは行われず、相変わらず速達列車は毎時8本のまま維持することとなった。
2020年6月1日には湘南新宿ライン及び埼京線渋谷駅が北側に350m移設し、中央改札やハチ公口までホームからすぐにアクセスできるようになってしまう。武蔵小杉は横須賀線・湘南新宿ラインホーム周辺での開発が進んでいることからも、東急東横線の時間的優位性がほぼなくなってしまう。そんな中たとえ先着であっても各駅停車であれば競合にかなわないのは明白で、通勤特急や急行の増発も図る気がないとなると、ラッシュ時輸送に関しては東急がJR東日本に対し白旗を振っているようにも見えるのは気のせいだろうか。
2. 目黒線で増発へ
今回の2020年3月14日東急電鉄ダイヤ改正では、2019年3月16日東急電鉄ダイヤ改正以来約1年ぶりに目黒線でもダイヤ改正を行う。
平日朝は白金高輪6時37分発西高島平行きを武蔵小杉6時14分発各駅停車西高島平行きに延長し武蔵小杉→白金高輪間で増発したほか、市ケ谷7時32分発鳩ヶ谷行きを日吉6時46分発各駅停車鳩ヶ谷行きに延長し日吉→市ケ谷間で増発した。一方日吉6時43分発各駅停車浦和美園行きを武蔵小杉6時47分発各駅停車浦和美園行きに短縮した。
今回の平日朝のオフピークの増発は武蔵小杉始発の純増発を行うことで、武蔵小杉からも列車を選べば着席通勤が利用できるようにすることで、JR横須賀線への競合力をつけたいようだ。
このほか、平日朝7時台の上り列車(目黒・地下鉄方面)では各駅停車1本を急行に格上げすることで、前回のダイヤ改正に引き続き急行と各駅停車を1:1で運転する時間帯を目黒7時50分~8時50分着から目黒7時39分~7時50分着に11分拡大し、武蔵小山で抜かされない各駅停車の運転時間帯を縮めることで混雑を分散させることとした。
また今回のダイヤ改正では、平日夜間の増発も図っている。西高島平18時26分発白金高輪行きを急行日吉行きに延長したほか、白金高輪19時27分発西高島平行きを武蔵小杉19時02分発各駅停車西高島平行きに延長した。
また浦和美園18時59分発白金高輪行きを各駅停車日吉行きに延長したほか、白金高輪20時11分発浦和美園行きを武蔵小杉19時43分発各駅停車浦和美園行きに延長した。
これらの増発により周辺の列車で種別変更を行っており、浦和美園18時18分発急行武蔵小杉行きは各駅停車武蔵小杉行きに格下げしたほか、目黒20時台発で各駅停車1本を急行に格上げした。
これにより目黒線では平日夜間に白金高輪~目黒~武蔵小杉間で各駅停車を2往復増発した。
さらに平日・土休日とも日吉24時29分発各駅停車奥沢行きを大岡山行きに延長し、奥沢→大岡山間で最終列車を14分繰り下げたほか、大岡山で大井町線溝の口24時28分発緑の各駅停車大井町行き終電に連絡できるようになった。この大井町行き終電への接続は東横線元町中華街24時02分発各駅停車渋谷行きを利用すれば接続できるので、奥沢以外では今回の目黒線の運転区間延長がなくても接続はできていたが、日吉→田園調布間でこれまでの東横線各駅停車渋谷行きと比べ2分遅い電車で最終大井町行きに連絡できるようになったこと、自由が丘では階段昇降があるが大岡山では対面乗り換えできることから、利便性が向上したと言えそうだ。
奥沢は2023年3月までに8両対応化と2面3線化による上り(目黒・地下鉄方面)待避線設置を行い、そのための工事も2020年初めより行っているが、今回のダイヤ改正での時刻調整は行っていないようだ。
3. 地下鉄南北線で平日朝ラッシュ時に増発へ
今回の2020年3月14日東京メトロダイヤ改正では、2019年3月16日東京メトロダイヤ改正以来約1年ぶりに地下鉄南北線及び埼玉高速鉄道でもダイヤ改正を行う。
今回のダイヤ改正では王子神谷6時34分発各駅停車日吉行きと鳩ヶ谷8時43分発各駅停車武蔵小杉行きを増発した。また先述したように市ケ谷7時32分発鳩ヶ谷行きを日吉6時46分発各駅停車鳩ケ谷行きに延長したほか、白金高輪9時22分発浦和美園行きを増発した。
この入庫繰りの関係で、白金高輪10時06分発浦和美園行きを赤羽岩淵行きに短縮したほか、鳩ヶ谷10時37分発各駅停車日吉行きを赤羽岩淵10時45分発各駅停車日吉行きに短縮した。
このほか平日朝ラッシュ時の運転間隔を詰め列車を増発したことから、平日朝ラッシュ時にも増発を図っている。今回の増発で埼玉高速鉄道は最混雑区間の川口元郷→赤羽岩淵間で混雑率が128%から121%に、地下鉄南北線は最混雑区間の駒込→本駒込間で混雑率が159%から151%に低下する見込みだ。
4. 地下鉄都営三田線で平日夕ラッシュ時に増発へ
今回の2020年3月14日東京都交通局ダイヤ改正では、都営三田線でもダイヤ改正を行う。
まずは平日朝。西高島平6時11分発白金高輪行きを増発し、折返しとして白金高輪7時13分発西高島平行きを増発した。これに伴い運用繰りの関係で西高島平6時07分発各駅停車日吉行きを高島平6時09分発各駅停車高島平行きに短縮した。
また平日夕方にも増発を図る。増発するのは下り列車(西高島平方面)は白金高輪17時16分発西高島平行き、白金高輪18時04分発西高島平行き、白金高輪19時30分発西高島平行きの3本、上り列車(白金高輪・目黒方面)は高島平16時29分発白金高輪行き、西高島平18時59分発白金高輪行きの2本を増発し、ついでに高島平18時09分発各駅停車日吉行きを西高島平18時06分発各駅停車日吉行きに延長した。
これにより都営三田線では平日夕ラッシュ時は5分間隔(毎時12本)から最短4分30秒間隔(毎時13本)に短縮・増発し、輸送力が11.1%増加した。昼間は6分間隔(毎時10本)のまま変わりないことから、昼夕輸送力比は83.3%から75.0%に改善し、適正範囲内に入った。
また都営三田線では今回のダイヤ改正で土休日も増発している。土休日に増発するのは西高島平20時56分発白金高輪行きと白金高輪21時55分発西高島平行きの1往復で、この増発により土休日深夜の混雑緩和を図ることとなった。
5. 結び
今回の2020年3月14日東急電鉄ダイヤ改正では、東横線や目黒線でそれぞれ列車の運転本数を微増した。
とはいえ、今回のダイヤ改正では平日朝ラッシュ時の抜本的な輸送改善は行われなかったことから、2023年3月の新横浜線開業までは大きな変化はないものと思われ、それまでは現状維持ベースで行うのだろう。
今後東急電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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